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これは惚れ直す!作り手たちに聞く、デニムというモノの面白さ

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シンプルなようでいて、デニムは奥が深く、こだわる点は無数にある。もの作りの現場では、実際にどのような過程を経てそれらが形作られていくのか? 普段我々が何げなく着用しているデニムが、これほどまでの手間と愛情をかけて製作されていることを知ったら、もっとデニムがいとおしくなるはずだ。

「製作の全工程を日本で行った、渾身の“メイド・イン・ジャパン”デニムです」

「スロウガン」デザイナー  小林 学さん(50歳)

気品さえ感じる、きれいなインディゴが特徴。5万8000円/ホワイト・スロウガン 03-3770-5931

「事の発端は、ジャパンメイドの本当の価値とは何だろう? そんな疑問からでした。ジーンズというアメリカ合理主義の結晶を日本人独特のメンタリティと技術力で作り変えた先に、その答えがあるような気がしたんです。

日頃参画している『amvai』というコラムサイト上で検証の機会を頂き、もの作りは始まりました。日本でしか作り得ない和製デニムの開発、これをキーワードにボクは徳島へ向かいました。そこには日本古来の本藍染めから、きわめて旧式なシャトル織機までボクのイメージを具現化するすべてが揃っていたからです。

土地に自生するタデを摘み、発酵させ藍玉を作り、天然藍染めのための液体を作る。季節によって管理の変わる環境相手の手間のかかる作業なのです。独特な発色の決め手は吉野川の水質でした。これぞ日本で作る意味だと思いませんか? さらに作業は進みます。職人の経験値のみで染め上げられ、吉野の水で洗い、徳島の風で乾燥する。完成した染め糸は超レトロなシャトル織機でゆっくりと織り上げます。

そのあまりに美しい紺色からフレンチワークスタイルが脳裏に閃き、100年前の型紙で出来上がったのが、日本の自然と歴史を深呼吸したかのようなこのデニムなのです」

「自分好みの色をデニムに出すという行為の奥深さに、ゴールはありませんね」

「レミ レリーフ」デザイナー 後藤 豊さん(47歳)

クリーンな加工を施した、イージーパンツ風のストレッチデニム。2万4800円/レミ レリーフ(ユナイト ナイン 03-5464-9976)

「『おしゃれダサい』くらいの雰囲気を目指して作りました。女性から『ナチュラルで素敵』と思われたい。湘南あたりの都会っぽい海岸がイメージです。黄ばみのある加工ではない、程良くきれいな加工感を目指しました」。

そんな思いから生まれたのが、このデニムだ。特に加工には並々ならぬこだわりがあるそうで「さまざまな色みの混じり合ったブルーが、他のデニムには無い特徴ではないでしょうか。色の混じり具合を自分好みに調整して加工する奥深さは何回経験しても、それ以上はないか?と探してしまう魔力があり、それがデニムが人を惹きつける魅力かなと思っています」

「デニム作りは料理に似ています。だから、素材には惜しみなくこだわります」

「デンハム」代表 ジェイソン・デンハムさん(47歳)

コットンの13オンスリジットデニムを採用。4万3000円/デンハム(デンハム・ジャパン 03-3496-1086)

曰く、「デニム作りの醍醐味は、素材選びや新しいシルエットの提案です。その実現のために妥協はしません。また、デニム作りは料理に似ています。良い材料は良い結果を呼び込む。だから私は、日本やイタリアの良質なデニム生地をよく使うんです」。

その言葉どおり、このキャロットフィットデニム“トーキョー”は日本製のデニム生地を用いて製作された。定番のシザーロゴやコインポケットの赤リベットに加え、ジャパンシリーズのコレクションでは初となるスラッシュポケットをディテールに取り入れることでトレンド感のある1本に仕上がっている。

「本モデルは、東京がデニムファッションの本場ということもあり、リスペクトの意味を込めてこの名前を付けました」とのこと。


「デニムってある意味、一生もののアイテムだと思います」

「アップル&アティテュード」カスタムディレクター 日景 上さん(37歳)

ポリウレタンの混紡率を抑えることで美しいシルエットを実現。2万9000円/アップル&アティテュード 03-6447-1665

「風格を持ちながらも、大人が快適にはけるものを作るべく、デニムのプロが集結して始めたのがアップル&アティテュードです」と日景さん。その醍醐味を堪能できるのが、ブランドの看板モデル“A&A01”だ。

昔ながらの力織機で織られた、このスリムなストレッチデニムには形態安定加工が施されているため型崩れしにくい。きれいなシルエットをキープできる点も大人にはうれしいポイントだ。

「デニムって、誰もが持っているアイテムだと思いますし、時代を反映させながらも普遍的なアイテムだと考えています。そんな一生ものともいえるデニムだからこそ、愛を持って接してほしいです。だからうちでは自分だけの1本を選択していただけるようにさまざまなオーダーを行っています。直営店ではビスポークでの製作も可能ですし、シルエットの変更はもちろん、加工やパーツのカスタムも受け付けますよ」。


「歴史に学び、最先端技術を用いてデニムの未来を導き出します」

「ユニクロイノーべションセンター」ディレクター 松原正明さん(43歳)

カイハラ社製のコットン100%の本格デニムを使用。3990円/ユニクロ 0120-170-296

昨年、ユニクロがロサンゼルスにデニムの研究機関・ジーンズイノベーションセンターを開設した。最先端技術を導入し、素材開発から洗い方まであらゆる可能性を模索している。そのトップを務める松原さんは、数々のデニムブランドでデザイナーとしての経歴を持つスペシャリスト。「開発し続けられる、デザインし続けられる、クオリティを追求できる、最高の場所でデニムの価値を上げていけることに大きな喜びを感じています」。そうして開発されたウォッシュ加工のひとつが”レギュラーフィットジーンズ”に採用されている。ヴィンテージを意識したディテールを詰め込んだボディに、今の気分な色落ちを表現。加工のコンセプトは研究所で考案された。


探求の果ての辿りついたプロダクトであることを想うと、お気に入りの1本がさらに輝いて見えてくるはず。デザインや素材の意味をひとつひとつ改めて考えたくなってきた。

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