色&柄モノに及び腰な大人を顔馴染みのネルシャツが救う
‘90年代のリバイバルブーム、いまだ冷めやらず。それを実感するのが、この秋リリースされているネルシャツの多さだ。ネルシャツといえば、オーシャンズ世代の青春時代を彩ってきたアイテムで、アメカジ、グランジ、ストリートと、あらゆるテイストの着こなしに採用されてきたいわば顔馴染み。
とはいえ年齢を重ね、守るものも増えてきた大人たち。白、黒、ネイビーの基本色を中心に無地一辺倒、なんてアイテム選びに落ち着く人も少なくないだろう。それで果たしてファッションを存分に楽しめるのか? 答えは当然ノーだ。だったら、今の機運に乗り、昔を思い出しながらネルシャツを再び手にとってはどうか。今ならフード付き、開襟タイプとバリエーションも豊富。王道のアメカジのみならず、モードや落ち着いた着こなしを目指せば今でも十分楽しめる。
[今回の悩めるオッサン]
自営業 砂金勇樹さん
年齢/38歳 身長/179㎝ 体重/72㎏
Q1. 休日のワードローブを教えてください。
「子供と遊べる」を基準に服選びをしているので、ストレッチ性や通気性のある高機能素材の服が多いです。
Q2. どういったスタイルが好きですか?
昔はネルシャツ、革ジャン、デニムのアメカジ的スタイルが好きでした。今はとにかくシンプルな格好が好きです。
Q3. 服装について何か悩みはありますか?
40歳近くになって、色や柄モノに挑戦できなくなった。クローゼットにある服も白、黒、ネイビーに無地ばかり。
Q4. やってみたい格好があれば教えてください。
色や柄モノを着こなせるようになりたい。この年齢になると主張の強い色柄の服を着るのは気が引けて……。
[今回のスタイリスト]
スタイリスト 川田真梨子
雑誌からタレントまで幅広く手掛ける。女性目線のメンズスタイリングに定評あり。今、ハマっているのは、和装で歌舞伎を見に行くこと。
ヘアメイク 田畑裕大
東京・表参道のサロン「アルファラン」で勤務する傍ら、フリーランスのヘアメイクとしても活躍。サロンの予約は☎03-6450-6583まで。
[ヘアスタイルの改造ポイント]
2ブロックはややもすれば子供っぽくなりがち。ただ、長短の差をソフトにすることで引き締まった印象を与え、若作り感も出ない。さらに、少し長めに残したフロントを流しながら大人っぽさも演出している。セットの際は、毛束感を作って動きを出して。
[変身後のスタイル]
モノトーンでまとめいつものサーフスタイルを大人っぽく

チェックシャツへ、シンプルにロンTとスウェットパンツをミックス。いつものサーフな趣も、モノトーンで仕上げれば自由とシックの両取りが叶う。
赤×黒のバッファローチェックはモードライクに着る

アメカジらしさをいっそう感じさせる配色&柄のネルシャツ。ただ、黒スキニーと短靴でモードな気分を取り込むことでなんだか新鮮に。
今どきなビッグシルエットを選びアウター感覚で

定番のチェックシャツも、ビッグシルエットならマンネリに陥らない。パーカに色落ちデニムの’90sな着こなしに、サラッとアウター感覚で羽織りたい。
今を意識するなら、断然フード出しのレイヤード

Tシャツへラフに着込むのもいい。ただ、今季はジップアップタイプのパーカとのセッションが気になる。フードをのぞかせ、首元にボリュームと温もりを呼び込もう。
[今回のホットなキーアイテム]
「チェック柄のフランネルシャツ」

今季はバッファローチェックが大豊作。スウェット地で切り替えたこちらを始め、フード付きも多数リリースされている。

大きくドロップしたショルダー、ボックス型、そしてビッグシルエット。だから定番アイテムでも“いつもの”に見えない。肉厚な生地で丈夫なのも嬉しい。

春夏のトレンドだったオープンカラーが秋冬にも飛び火。黒の濃淡で表現したチェック柄は、大人が嬉しい適度なカジュアルさを表現できる。

ボタンダウンタイプのこちらは、胸ポケットのチェック柄の斜めに配置しながらニュアンスのある表情に仕上げた機微がいい。
年齢を重ねたからと無難な着こなしに終始していてはおしゃれを楽しめない。おしゃれに貪欲だったあの頃の気持ちは持ち続けたいけれど…….。そう考えている大人にこそ、今チェック柄のネルシャツは大いに活用したいアイテムなのだ!
清水将之(mili)=写真 川田真梨子=スタイリング 田畑裕大=ヘアメイク