平日にオフィスを主戦場とする男たちが、休日に獅子奮迅するフィールドがある。それが、今急激に競技人口を伸ばすサバイバルゲームだ。今回取材班が潜入したのは神奈川・湘南エリア唯一のサバゲーフィールド「湘南トスカフィールド」。私服以上に機能性や趣味性にこだわり抜いた、男の戦闘服をご覧いただこう。
軽装派の戦闘員が信頼する機動力抜群のアーミーブーツ
ビッグTにシアサッカーのクロップトパンツ。軽快な装いで登場した佐藤さんは、戦場においても軽装派だ。戦場で縦横無尽に動く彼の機動力を支えるのが、パラディウムのブーツ。フランス軍靴の製造から始まった本格フットウェアブランドで、足場の悪いフィールドでも抜群のグリップ力とフィット感。有名なフランス外国人部隊のお墨付きでもある。
王道スタイルに備わる細部までリアリティと物語ボタニカル柄のシャツやゆったりしたパンツと、休日はリラックス感溢れる畠中さんだが、戦場に赴けばその印象は一転。2000年代の米軍特殊部隊をイメージしたという装備は、プレートキャリアと呼ばれる弾倉用ポケットなどが付いたベストが主役。米軍も採用するパラクレイト社製で細部も忠実に再現、胸のテキサス州旗に物語を感じてしまう。
私服と戦闘服に共通する田形流のスタイルとは?私服のタータンチェックシャツと戦闘服のスカート。その共通点は?ズバリ答えはスコティッシュスタイルだ。スコットランドの民族衣装であるキルトを、5.11タクティカル社がミリタリー的に解釈した逸品は、頑丈なリップストップ生地に撥水加工、カーゴポケットやDリングなどを備えたタクティカル仕様。田形さんの闘う姿を勇ましく、華麗に飾っている。
本気に見えて遊び心溢れるスポーツMIXスタイルに注目を本格的なミリタリーウェアに見えて実は違う、それが小林さんの遊び心。Tシャツはパタゴニア、ショーツはチャンピオンCPFUと自在なスポーツMIXを披露してくれた。この日は休日スタイルと同様に、足元にもブルーを利かせてゲームに参戦。お気に入りギアはアークテリクスのミリタリーライン、アークテリクス リーフのメッシュキャップとのこと。
ティアドロップサングラスとベレー帽が作る“大物”の表情ノーカラーシャツにブラックのクロップトパンツ。ミニマルな休日スタイルの吉州さんは、戦場でも余分な装備を削った機動力重視。メッシュTにフェニックスのショーツ、サロモンのシューズで、このままトレランにも行けそうなアタッカー仕様だ。そこにアメリカから取り寄せたという風防付きサングラスとベレー帽を加え、ただならぬ“大物感”を演出した。
セットアップや小物選びに“わかってる感”が見て取れるグレイッシュな休日のジャケパンスタイルで颯爽と現れた中島さんは、戦場でもグレーのセットアップを愛用中。上下ともアークテリクス リーフのもので、ベストにキャップ、グローブなどの小物のほか、プレートキャリアもウルフグレーで統一した“ツウ”な印象。違うブランドであっても近似色を求められるのは、ミリタリーファッションならではの楽しみだ。
ギア選びの楽しさが伝わる本格派のリアルツリーカモ街中ではジャケットの下にアクセントとなるファッションピースとして、戦場では自然に溶け込むためのギアとして。自ら初心者と語る吉野さんにとって、リアルツリー柄は実に頼もしい存在なのだとか。聞けばリアリティのある樹木柄が見事なロンTは、アメリカのハンター用アウトドアブランドのものだそうで、ギアにこだわりたくなる男心がよく伝わってくる。
単なる軽装と侮るべからず泣く子も黙る“本物志向”安田さんの戦闘服を休日同様のTシャツ&短パン姿と侮るなかれ。短パンはFBIも採用する5.11タクティカル社製、ブーツは米海兵隊放出品。チェストリグなるベストも軍隊が採用するLBT社製。極め付きは愛銃「AR-15」も、実銃のパーツでカスタムできるシステマ社製……。徹底した本物志向がうかがえるその姿は、圧巻、いや壮観なり。
このように、街中のみならず、戦場におけるウェア選びも十人十色。必ずしも軍用装備のみならず、バラエティに富んだ選択肢があることがあるのだ。さらにいえば、ファッション性を追求したスタイリングも可能ということ。サバゲーはまだまだ目新しく、手垢の付いていない大人の遊び。アウトドアの新たな楽しみを探している人は、試してみてはいかがだろうか?