“オーシャンズ世代”と呼ばれる大人は、男として父として輝いている人たちだ。海から街までを主戦場とするからこそ、遊びには目がなく、お洒落には抜かりがない。だからこそ、そんな大人たちの豊かな暮らしの中には、大きな共感を呼ぶプロダクトがある。オーシャンズ世代の暮らしを彩るグッドプロダクトを、ある週末の風景とともに紹介しよう。
背中から、おもしろく。義務、責任、覚悟。何かと背負うものが増える大人をやっていると、つい置き去りになる好奇心。目が覚めるような美しいブルーをまとうハワイ生まれのバックパックがそれを思い出させてくれる。ハワイの開放感に上質なものづくりを融合するブランドの人気シリーズで、寸暇を惜しんでともに旅をしたくなる存在だ。新しい発見や驚きを歓迎して活力旺盛に生きる、そうありたい大人の背中を押してくれる。
引き算したあと、愛着に出会う。トライ&エラーを繰り返したからこそ、自分らしいお洒落を見つける。無駄が削ぎ落とされ、好きなものが残っていく。そのひとつがこんなウインドブレーカーだ。直線を多用した切り替えやジップ使いは洗練のデザインを、軽量で伸縮性を確保する袖裏のリブは実用的な機能を象徴している。必要なものだけが揃うからこそ、僕らの日常に溶け込んでいく。そんな服にこそ愛着は湧いてくるものなのだ。
自信を持って、Tシャツ& 短パン。夏といえばTシャツ&短パン。でも、やっぱり心許ない。ならばこのセットアップに身を委ねたい。180年を超えるウールリッチの歴史から紐解かれたワークウェアを出自とするもので、硬派なデザインのカジュアル仕立て。シワを気にせず着られて伸縮に富む。おまけに日焼け肌と相性の良いオリーブグリーンと実に頼もしい。たとえ引き締まったカラダがなくても、自信満々というわけだ。
広すぎる都会が、狭すぎる。サーフィン、ゴルフ、キャンプ。都会と自然を往来するOC世代はとにかく行動派である。そんな軽やかなフットワークを支えるギアのひとつとして、このシューズはまさに理想。スタイリッシュな見た目にして、抜群の安定を誇るフィット感や水中にも対応するグリップ力、内部の水抜きも備えるハイスペックな水陸両用モデルなのだ。コイツをシティユース限定にするのだけはおやめなさいな。
この夏も服は、南へ舵を。空と海の青が鮮やかな日もあれば、その境目がぼんやり曖昧な日もある。訪れるたびに異なる表情で迎えてくれる海が、やっぱり僕らは大好きだ。そして、そんな海辺にぴったりな服がこのキーネックのプルオーバーシャツ。潮焼けしたように色落ちしたデニム地や風を孕むような程良いルーズシルエットが、見て、着て、心地良い。パームツリー柄のショーツとともに、南国気分で楽しみたい。
タネも仕掛けもない!? 着てみたくなる服。写真は毎度オーシャンズを飾るモデルの三浦さん。40代にしてこんなに格好良く見える秘密は、ずばりこのカーディガン。まずこのボーダー柄、わざわざインディゴ染めで表現している。しかもよく見れば、その隙間からのぞくネイビーとレッドのジャカード織りをアクセントに、どこかネイティブ調の趣も。非凡な柄を配したコットンカーディガンなのだ。どう? タネと仕掛けがわかってさらに着てみたくなりませんか?
疲れたカラダに、甘い服。あらゆる緊張から解放される週末は、カラダが安らぐような気持ちのいい服に包まれたい。そんな大人の本音に応えてくれるのが、イタリアの老舗ニットブランドならではの別注Tシャツだ。凹凸感のある独特の編み地や肩の動きを妨げないラグランスリーブが生む快適さは言うに及ばず、袖や裾口のカットオフ処理が見た目にも抜群のリラックス感。疲れたカラダを思いきり甘やかしてくれる。
岡田 潤(bNm)=写真 菊池陽之介=スタイリング YOBOON=ヘアメイク