オレが楽しいと、家族も楽しい! -O父CHANS特別篇- Vol.15
2018.06.01
FAMILY

「育休、どうでした?」取得率5%! その体験談を聞いてみた

【特集】オレが楽しいと、家族も楽しい!ーO父CHANS特別篇ー
自分と家族、双方が楽しむためのヒントを提供する本特集。今回は“育休”の実態についてリサーチ。実際に育児休業・育児休暇を経験した3人のオトーチャンの率直な感想や苦労話をご紹介しよう。

“イクメン”なんて言葉がもてはやされる昨今だが、2017年度の時点で男性の育児休業の取得率はわずか5.14%。20年前の0.12%と比較すれば伸びているが、未だに限られた人しか取得できていないのが実態だ。

だが、そもそもこの「育児休業」は、法律によって定められた休業制度で、原則として子供1人につき1回、出産日から1歳の誕生日を迎える前日まで申請できる。そして、一定の条件を満たせば、仕事を休んでいる間に「育児休業給付金」が支給される。それなのに取得率が伸びていないのは、もしかしたら育休に関する認知が進んでいないのもひとつの原因かもしれない。

そこで今回は、実際に育休を取得した経験を持つオトーチャンたちにその内実を聞いた。

 

ケース1:ソーさん「育休取得をきっかけに、人生の針路を変更」

最初に話を伺ったのは、大手商社に勤めるソーさん(33歳)。子供が生まれた2015年5月から保育園のならし保育が終わる2016年4月末までの約11ヵ月を育休期間として過ごしたという。どんなきっかけから取得に踏み切ったのだろうか?

「大きな理由はないのですが、ふと思い立ったんです。周囲に育休を取得している人がいないからこそ、自分で体験してみたいと考えて」。

そんなソーさんは、育休を取得したことが自分の人生を考え直すターニングポイントになったそうだ。

「子供とゆっくり過ごすことができたのはもちろん、引っ越しや旅行、さらには株取引や不動産売買などに時間を費やすことができました。仕事ばかりだと毎日をなんとなく過ごしてしまいがちですが、ゆっくり考える時間ができたことで、よりワクワクする人生へと針路を変更する機会になったと思います」。

では逆に、育休取得中や育休取得後に困難なことはなかったのだろうか?

「何の困難もありませんでしたね。それどころか、生まれてきた我が子と間近で触れ合うことができたので、とても幸せな日々でした。それに、取得後はさらに生き生きと自由に仕事ができるようにもなりました」。

子供が生まれたことをターニングポイントとし、自らの人生を考え直すことができたソーさん。育休を有意義に過ごせた理想的な事例といえるだろう。

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ケース2:ヨーコさん「3カ月間の育休を取得。家族全員で新しい生活をスタート」

続いて話を聞いたのは、フィンランド人男性のヨーコさん(33歳)。

最初は1カ月の予定だったが、最終的には仕事で何か問題が発生したら対応することを条件に3カ月の育休取得に踏み切ったという。そして実際、2017年10月初頭から2018年1月初頭までの3カ月間を子供と一緒に過ごせたそうだ。

「オムツを変えたり、お風呂に入れたりといったことはもちろんですが、授乳などで忙しい妻の生活が少しでも楽になるように頑張りました。料理を作ったり、掃除や洗濯をしたり。あとは妻が寝る時間やお風呂に入るタイミングを作るよう心がけました」。

実はフィンランドでは、男性の育休取得が進んでおり、その数字は7割とも8割ともいわれている。だからこそヨーコさんも当たり前のように育休を取得したのだが、勝手が違う日本で育休を取得するにあたり苦労したことはなかったのだろうか?

「どれくらい取っていいのか、どんな書類を提出しないといけないのかの不安もあったし、育休中の給付金をいつ、そしていくらもらえるのかも曖昧でした。ネットには情報がたくさんありますが、わかりにくいし、古い情報が混在していて迷うこともあった。結局、会社の管理部や区役所の人にいろんなことを聞いて、なんとかなりましたが……。そんな苦労がありつつも、育休を取って良かったのは、家族全員で新しい生活をスタートできたこと。産まれたての子供の成長を間近で見れるのもうれしかったですね」。

「仕事の都合ももちろん大事ですが、個人的には1カ月くらいはぜひ取ってほしいと思います」とヨーコさん。「タイミングが合わなければ、子供が少し大きくなってからでもいいのでは?」とも付け加えた。

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ケース3:中村さん「育児休暇を分割で取得して、仕事に支障をきたさないように」

最後に話を聞いた中村さん(45歳)は、育児休業ではなく、育児休暇を複数回に分けて取得したオトーチャンだ。育児休業のように国からの給付金が受け取れるわけでないが、子供のために休暇をとれる制度を整えている企業が少しずつながら増えている。

「勤務先で通常5日間なのに、2018年5月末までなら10日間取得できる『育児休暇取得促進活動』を行っていたんです。人事部から月1回くらいのペースでリマインドされるという徹底ぶりで、上長からも取得するよう助言があって育児休暇に踏み切りました」。

とはいえ、取得は思ったよりも簡単ではなかったそうだ。

「ちょうど抱えている仕事が佳境を迎えていたこともあり、順調に取得することができませんでした。最終的に人事部に交渉して2018年6月までに分割で取得することになり、5月の時点で3日取得。残り7日を6月末までに取得する予定です」。

育児休暇と聞くと一定の期間にまとめて休みを取得するイメージが強いが、仕事の進捗次第では分割で取得するのも手。これなら仕事と育児を両立するのもハードルが下がりそうだ。

ちなみに、育児休暇を取得することで奥さんの苦労がわかったと中村さんは話す。

「生まれたての子の育児だけでなく、上のお兄ちゃんの幼稚園への送迎や外遊び、そして家事のお手伝いなどもしました。妻の日常を体験することでその苦労を知り、それからはもう文句が言えなくなりましたね(笑)」。

育児休業・育児休暇中の過ごし方はそれぞれ異なるが、ネガティブなコメントは見られなかった。それよりも妻や子供とじっくり過ごす時間がとれたことで、人生を見つめ直す機会になったり、関係を深める良いきっかけになったようだ。

これから育休の取得を考えているオトーチャンは、ぜひ参考に!

村上広大(EditReal)=取材・文

【参考データ】
厚生労働省「平成29年度雇用均等基本調査(速報)」

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