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2021.11.24

新型「ランドクルーザー」の尽きない魅力。世界に誇るSUVを、識者6人が語り尽くす

その人気ぶりは日本だけでなく世界各地で話題となり、1年以上の納車待ちが噂される新型のランドクルーザー。
モータースポーツから得た技術をフィードバックさせたGRスポーツモデルも注目の新型ランクルを、識者たちが解説!

TOYOTA LAND CRUISER トヨタ ランドクルーザー
実に14年ぶりのフルモデルチェンジ。悪路走破性や耐久性といったこの車の本質は先代から継承・進化させつつも、「運転しやすく、疲れにくい車」を意識して開発されたことが乗ると実感できる。つまりオフロード、オンロードともに世界最高峰の走行性能を獲得。全長4950×全幅1980×全高1925mm。510万円〜。

トレンドのデザインも面白さ

オフィスは都内にあるのですが、自宅は長野県内の都市部に近い場所と自然環境に恵まれた場所にふたつ持ち、平日と週末で使いわけています。
もともとは家族で移動できる四駆として、ランドクルーザー プラドの78(ランドクルーザーよりやや小さな’90年代のモデル)を探していたのですが、2年かけて探してる間に子供が増え、なおかつ犬も増えたので「プラドじゃ何も載らない……」となり、ランドクルーザー80に行き着きました。
ランクル80は、クラシカルなビジュアルでありながら十分実用的にも使えるという、絶妙な線にある車。
最初はランクル80の“スタイル”が好きでしたが、長野の山で乗っているうちに、その走破性の高さがもたらす素晴らしさも知りました。キャンプ道具や薪を運ぶので車内は木屑だらけですが、ランクルは汚れているぐらいのほうが逆に格好いい。
新型のランドクルーザーはGRスポーツのデザインが人気で、標準モデルのほうはちょっと……みたいに思われてるようですが、僕は必ずしもそうは思いません。個人的には前の200系より好きなデザインですし、トレンドというか時代感が色濃く表れていて、この時代にしか出てこないデザインだと感じます。
僕自身は、80をEV化してでも乗り続けたいと思っていますが、これからランドクルーザーに乗ろうという人であれば、この300系はアリな選択だと思いますね。
「noru journal」編集長
村松 亮

プランナー兼プロデューサー。人と移動をテーマとする「noru journal」の編集長でもある。都内から長野県御代田町および伊那谷に移住し、妻と子供たち、そして2頭の犬と暮らしている。
 

性能を考えれば破格値

ひと口にランドクルーザーといってもそのモデルレンジは3つの柱があります。
ひとつは本気も本気のプロユースである70系、もうひとつはそれよりもややライトデューティなプラド系、そして信頼性と快適性、走破力の比類なき融合を目指したフラッグシップ系と。この300系ランクルはフラッグシップ系に相当するモデルです。
メカニズムの完全刷新という視点で見れば、かれこれ四半世紀ぶりくらいの新型ということになる300系は、エンジンも一新してディーゼルも追加されるなどトピックも盛りだくさんです。
でも、トヨタ十八番のハイブリッドはありません。その理由は明確で、いかなる環境でも生きて帰ってこられるということがランクルの大前提になっているからです。
そのためには世界の過酷な環境での整備維持が可能な車でなければならない。しかし緻密な電子部品で構成されるハイブリッドをはじめとした電動化パワートレインは、そこまでのタフネスを望むにはまだいたらないというのが実情というわけです。
並のSUVとは一線を画するヘビーユースを想定していながら、静粛性や乗り心地は劇的に進化。サイズを厭わなければファミリーユースもOKと十分実用たるベースグレードの価格は、その能力からすればさすがトヨタの破格値です。
今頼んでも納車は随分あとになりそうですが、やすやすとモデルチェンジはしないので待つ価値はあると思いますよ。
自動車ライター
渡辺敏史

出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。
 



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