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2021.06.10

乗り心地抜群、だけじゃない! 識者6人が語る「プジョー 5008」の真価

2017年に登場し、今年マイナーチェンジを果たしたフラッグシップSUV「プジョー 5008」。
フランス車らしいマイルドな乗り心地が特徴のこの一台を、識者たちはどう分析するのか。
夏フェスが似合う車!? 乗り心地抜群の「プジョー 5008」を識者6人が徹底分析
PEUGEOT 5008 プジョー 5008
エクステリアは新世代プジョー共通のフレームレスグリルとライオンの牙をモチーフにしたLEDデイタイムライトが特徴。グレードはアリュール(ディーゼル)とGT(ディーゼル・ガソリン)の計3モデルをラインナップ。全車にアクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー付き)などの先進運転支援システムが標準装備される。460万円〜。

フランス車らしい“色”が好き

人生最初の車は師匠から譲ってもらった国産ワゴンでしたが、その次にランドローバーのディスカバリー2を買ったんです。やっぱフォトグラファーはコレでしょ? みたいな感じで(笑)。
でも、僕にはしっくりこなかった。なので、その次は本当に好きな車を買おうと思って、ルノーのエクスプレスという箱型の荷室が付いた古いフランス車を探したのですが、物件がなかった。
そのため、結局ルノー カングーを買って、その次がプジョーの3008というSUV。そして今は、同じくプジョーのリフターという新しいMPV(多目的車)に乗っています。
リフターはすっごくいいですよ。僕は今、東京と長野の2拠点生活をしているのですが、長野へ行くときも家族3人で余裕をもって乗れますし、カメラ機材も、そして長野の冬を過ごすための防寒道具もたっぷり載せられる。それでいて高速道路でもとってもよく走りますからね。あと、ドイツ車と違って「ありふれていない」というのも、僕にとっては重要なポイントです。
以前3008を買ったあとは「5008にしとけばよかった……」と後悔しましたね。なにせ載せられる荷物の量が全然違いますから。3008に比べお尻が角張っているので縦積みだってしやすい。5008は造形も、丸っこい車ばかりの世の中で“違う色”を持ったカタチだと思っています。リアからの見た目を重視する僕は、好きなモデルです。
フォトグラファー
森脇裕介
女性ファッション誌や広告の世界で活躍中のフォトグラファー。ライフワークとして花と植物の写真を撮り、定期的に個展を開催。都内と長野県との2拠点生活を送っていて、趣味はキャンプ。
 

自然と遠出をしたくなる

プジョー 5008の最大の特徴はSUVシェイプにして3列シート・7人乗りのユーティリティを有していること。同様の機能を持つ他銘柄もあるにはありますが、それらはおしなべて全長5mにならんとする巨体です。対する5008は4640mmと実用的な車格を保っています。
5人乗りの3008をベースにした派生的な成り立ちという点からみれば、マツダCX-5をベースにしたCX-8に程近いかもしれませんが、こちらも4900mmですから、5008はその手軽さが際立ちます。
無論そのぶん3列目の居住空間はミニマムで、育ち盛りの小学生でも苦しい場面が出てきそうです。でも、頻繁に使わずともいざというときのために3列シートは用意しておきたいけど所帯じみた車は嫌……みたいなニーズにはピッタリ。
あるいは3列目のシートを格納しておけば広大な荷室となりますから、家族や仲間とキャンプに行くなんて使い方にはドンズバで応えてくれます。
5008でひとつ注意すべきは、四駆の設定がないということ。そのぶん、一部グレードには四輪をうまく制御して悪路でのスタックを防止するアドバンスドグリップコントロールがついてまして、これがなかなかの巧者です。
伸びやかなグラスエリアが醸す旅グルマ風情にぴたりと寄り添う、ふわりとアタリの優しいフランス車らしいフットワークでおのずとロングドライブに誘われる。そんなイキらず乗れる心地良さをご堪能ください。
自動車ライター
渡辺敏史
出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。
 



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