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2021.03.09

運転の楽しさを味わえる「BMW 5 シリーズ ツーリング」は最高の一台だ!

昨年秋にマイナーチェンジした「BMW 5 シリーズ ツーリング」。ギドニーグリルがワイドになり、より精悍な顔つきに。
数あるステーションワゴンのなかでも、運転する楽しさもしっかり味わいたい人には、最高の一台となること間違いなしだ。
BMW 5 SERIES TOURING BMW 5 シリーズ ツーリング
BMW 5 SERIES TOURING BMW 5 シリーズ ツーリング
エンジンはガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドを用意。アクティブに使い倒すなら、ディーゼル×4輪駆動の「523d」がおすすめだ。リアにはエアサスペンションが採用されているので、重荷物を積んでも、自動で車高調整し安定した走行を実現する。全長4950×全幅1870×全高1500mm 749万円〜。

BMWは“余計な色”がないからいい

父がBMW愛好家だったこともあり、私もBMW好きに。20歳で初めて買った車もBMWの中古車でした。その中古車でBMWの“気持ち良さ”に開眼してしまい、次も、次の次も、BMWを選びました。
最近まで乗っていたのが「5シリーズ グランツーリスモ」というモデルで、大きな5ドアハッチバックというか、ちょっと妙なフォルムの車です。8年ほど前に購入したのですが、それまで乗っていたセダンにサーフボード2枚を積むことの限界を感じ始めていました。
最初はSUVに乗り替えようとも思ったのですが、どこか自分らしくないと感じ、かといってステーションワゴンは、当時の私には「おやじくさいな……」と思えたんです。
それで、絶妙な“謎感”がある5シリーズ グランツーリスモを選んだのですが、大正解でした。かなりの積載量を誇る大きめな車なのに、走りはBMWそのもの。そして謎のルックスでもあるという(笑)。
そういった意味で、5シリーズ ツーリングは「積めて、走れて」という部分がさらに良くなった車であることは当然なんですが、それと同時に——アパレル業界にいる私から見ると——BMWって“余計な色”がないんですよね。
モノとしてはもちろん個性的ですが、ブランドとしてはさらっとしてる。それを身に着けることによる余計な意味は生まれにくいプロダクトだと思うんです。だからこそ、BMWは多くの人に“似合う”のでしょうね。
「ユナイテッドアローズ」クリエイティブディレクター
松本真哉
時代のムードと自身のライフスタイルに合わせて、これまで3台のBMWを乗り継いできた“BM愛好家”。ただ、現在は他ブランドに心移り中。サーフィンとガーデニングが趣味。
 

この一台にすべてを託せる

車における世の趨勢はSUVに大きく傾いている昨今ですが、僕のようなオッサン世代がバブル後の修羅場でもシュッとしていたいと踏ん張っていた頃合いに、SUVのような光明を放っていたのがステーションワゴンです。
当時は、SUVはなんとも泥臭く、それをハズシとして扱う術もあったとはいえ、一方のステーションワゴンは程良く都会的でフォーマルにも振る舞えなくはなく、会社に行くのは背広が当たり前の時代においてはギリギリの遊び心を託せたんですね。そこで人気を博した銘柄としてはスバルのレガシィやボルボ850、フォード トーラスやメルセデスのミディアムクラスなどがありました。
とりわけ、スポーティな振る舞いを自慢としていたのがBMWの5シリーズ ツーリングです。そもそも彼らのサルーン造り自体にハンドリング自慢なところがあり、そのフィーリングをもれなく引き継ぎながら積載性がドーンと向上しているところにツーリングの個性がありました。
それは今も変わらずで、家族旅行の際には自重すべきですが、ひとりでゴルフの行き帰りには山道も思いっ切り楽しめる、そんなパッケージになっています。そしてこのハンドリングの解像度の高さは、SUVとは完全に一線を画するものです。
酸いも甘いも嗅ぎ分ける車好きの大人が、ミニマルに一台にすべてを託するとき、最後の最後まで候補に上がるだろう銘柄だと思います。
自動車ライター
渡辺敏史
出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。
 


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