乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.186
2021.01.03
CAR

絶滅危惧種!? パワーとスピードの二物を得たハイパフォーマンス・ディーゼルSUV

「ラスト・オブ・ディーゼルSUV」とは…… 

ガソリンエンジンと比べて高回転域まで回らないため、これまでハイパフォーマンスモデルには採用されていなかったディーゼルエンジンだが、最近はアウディとBMWが採用している。

残念ながら日本に導入されているモデルは限られているが、ガソリン車にはない力強い加速力を武器にする2台のハイパフォーマンスSUVを見てみよう。

 

■アウディ「SQ5 TDI」

日本にも導入渇望のSモデル

アウディのスポーティラインであるSモデル。

SUVであるQシリーズにもSモデルが設定されているが、日本未発売ながら、本国ではガソリン車の「SQ5」のほかに、ハイスペックのディーゼルエンジンを搭載した「SQ5 TDI」が存在する。

最高出力341ps/最大トルク700N・mを発揮する3LのV型6気筒ディーゼルターボを搭載。これにスタータージェネレーターが付いたマイルドハイブリッドシステムとなる。

0-100km/hは5.1秒と、日本に導入されているガソリンターボの「SQ5」の5.4秒よりも速い。

「SQ5」のクーペ風モデルである「SQ5スポーツバック」(日本未導入モデル)にも、「SQ5スポーツバックTDI」が設定されている。

走行状況に応じて前後のトルク配分を自在に可変してくれるクワトロシステムに、Sモデル専用の足回りが追加されたことで、路面にパワーとドライバーの意図を瞬時に余すことなく伝え、SUVながらスポーツカー並みの走りを堪能させてくれる。

アウディは2020年9月にSUVスタイルの電気自動車「e-tron」/「e-tronスポーツバック」を導入。2025年まで世界の主要市場で20モデル以上の電気自動車を発売するとしている。

そのため「SQ5」などディーゼルのハイパフォーマンスSUVは近い将来姿を消す可能性が高い。まさに今楽しむべき車なのだ。

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■BMW「M40d」

現在日本で唯一のハイパフォーマンス・ディーゼル

BMWには近年、ハイパフォーマンスモデルである「Mパフォーマンスモデル」が設定されている。

サーキット走行も視野にBMW M社(Mはモータースポーツの略)がチューニングを施したのが「Mモデル」で、同じくM社が手掛けるものの「サーキットまでは走らない」ユーザーに向けた高性能モデルが「Mパフォーマンスモデル」となる。

ちなみにBMW各車に必ずといっていいほど設定されている「Mスポーツ」とは、M社が開発した各種パーツを装着したモデルを指す。

「X3」のMパフォーマンスモデルとして発売されているのが、3L直列6気筒ディーゼルツインターボの「M40d」だ。

最高出力は326ps、最大トルクは680N・m。0-100km/hは4.9秒と、スポーツカーなみのスペック。

かつて“シルキーシックス”と呼ばれるBMW製の直列6気筒は、ディーゼルでも滑らかに、スムーズに吹き上がる。

さらに2020年11月にはマイルドハイブリッド化されることが発表された(納車は2021年前半)。スタータージェネレーターが備わることで、発進や加速スピードはさらに増しそうだ。

もちろんM社が手を加えるのはエンジンだけではない。コーナリング時の左右輪の回転数の差を解消するディファレンシャルギアは、M社によって緻密なコントロールが可能となり、路面に着実にパワーを伝える。

その結果「X3」をより速く、より曲がりやすくしている。またそうした動きを受け止めるサスペンションもM社製のものが備わる。

キャンプやアウトドアスポーツにガンガン出かけられるのはもちろん、その道中のドライブさえ楽しくしてくれるハイパフォーマンスなディーゼルSUV。日本で唯一乗れるモデルだけに、世の中の電動化が進む前に乗っておきたい。

「ラスト・オブ・ディーゼルSUV」とは……
低燃費なうえに、ガソリンより力強い走りが特徴のディーゼル車。世界で人気を誇るものの、電気自動車時代が本格幕開けした今は潮目が変わりつつある。魅力的なディーゼルモデルに乗るラストチャンス、改めてその魅力にフォーカス。上に戻る

籠島康弘=文

# BMW# SUV# アウディ# ディーゼル# ハイパフォーマンス
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