乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.174
2020.11.19
CAR

小さくても広い車内。日本向けな英国スモールSUVの名は「Eペイス」と「イヴォーグ」

「小は大を兼ねる! スモールSUVの世界」とは……

スモールSUVなら街中や駐車場での取り回しもラクにできるが、ボディが小さくなれば、居住空間やラゲッジスペースがどうしても狭くなる。

ところがジャガー「Eペイス」とレンジローバー「イヴォーク」は、そんな二律背反をサラッと両立してしまう。

ジャガー「Eペイス」。全長4410×全幅1900×全高1650mm。

そもそもこの2台を初めて見た人は、車が発する風格からスモールSUVとはまず思わないはずだ。だが実際には2台ともメルセデス・ベンツ「GLA」(4415mm)よりも短い。

「Eペイス」と「イヴォーク」に見た目と数値のギャップを感じるのは、ラージサイズのSUVなみに余裕がある“全幅”にある。

レンジローバー「イヴォーク」。全長4380×全幅1905×全高1650mm。

日本車だとトヨタ「ハリアー」が1855mm、日産「エクストレイル」が1820mmと1800mm台。しかし「Eペイス」と「イヴォーク」は全幅が1900mm台にのる。そのため居住性や積載性に余裕が生まれるのだ。

例えば大人5人で移動しなければならなくなって、後部座席に3人が横に並んでも快適に座れるし、ラゲッジスペースも5人乗車時で「Eペイス」は577L、「イヴォーク」は591Lと十分な広さが与えられている。

もちろんこの“幅”がもたらすサイズ感は、SUVらしい力強さや優雅な雰囲気を表現する上で欠かせないものであることは言うまでもない。

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スポーティさに、全幅の信頼を置く

ジャガーといえば“高級”であるだけでなく、流麗で、スポーティなモデルを作り続けているブランドだ。それはたとえスモールSUVになろうとも変わらない。

「Eペイス」はタイヤを車体の四隅に配置し、広いトレッド幅によってスポーティさを演出。リアに向かってなだらかに傾斜するルーフラインもスポーツモデルのような雰囲気を強調している。

フロントライト内には“Jプレート”と名付けられたシグネチャーライトを配置。また、フロントウインドウには小さく親子のジャガーがプリントされるなど、遊び心も盛り込まれている。

メーターや操作系がドライバーを取り囲むように配置された運転席は、コックピットと呼ぶのにふさわしいデザイン。

そして大開口のパノラミックルーフによりキャビン内に自然光が優しく降り注ぐのが気持ちいい。

エンジンは200ps、249ps、300psという3種類の2Lガソリンエンジンと180psの2Lディーゼルエンジンを用意。すべて9速ATが組み合わされる。パワートレインとグレードの組み合わせにより、バリエーションは15種類にも及ぶ。

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ラグジュアリー感に、全幅の信頼を置く

“イギリスの高級オフローダー”というと、本格派はランドローバーが担い、それに対してレンジローバーは“ラグジュアリー路線”といったところか。

そのため初代「イヴォーク」には、2ドアクーペやコンバーチブルモデルも用意されたほど、ほかのSUVとは明らかに異なるキャラクターが与えられていた。いわばレンジローバーのイメージリーダー的役割を担っていたのだ。

現行型の2代目も、レンジローバーシリーズであることがわかるフロントフェイスを備えつつも、初代から継承されたクーペ風スタイルにより、「イヴォーク」らしい美しさを堪能できる。

インテリアもモダンな雰囲気にまとめられている。センターコンソールに配置される2つのタッチスクリーンでほとんど操作できる「Touch Pro Duo」が採用されたことで、インパネ周りのスイッチ類は最小限に。

シートはレザーのほか、スエードクロス、ユーカリ素材を使ったユーカリプタス・メランジ・テキスタイル、ウルトラファブリック・ポリウレタンなどが用意されている。

エンジンは200ps、249ps、300psという3種類の2Lガソリンエンジンを用意。300ps仕様はマイルドハイブリッドになる。そして「Eペイス」同様に2Lディーゼルエンジンもラインナップ。しかも路面状況に応じてエンジンやトランスミッション等の特性を変えてくれる「テレインレスポンス2」も備わる。

エンジン種類とグレードの組み合わせでラインナップは全17種類に及ぶ。

「Eペイス」と「イヴォーク」は、すべて4WD車だ。そこが2WDのある国産車やフランス車と大きく異なる点だろう。

オーソドックスなスモールSUVでは満足できない人にとって、どちらも最良の選択肢となるはずだ。

「小は大を兼ねる! スモールSUVの世界」とは……
かつてメルセデス・ベンツがコンパクトクラスと冠した「190」の全長は4430mm。つまり、これより小さい車は“スモール”と呼んでいいと思う。日本の狭い道路もスイスイ行けるし、燃費も良好。そんなスモールサイズのSUVは、等身大で乗りたい車の代表格だ。上に戻る

高橋 満=文

# SUV# イギリス# ジャガー# レンジローバー
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