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2020.07.31

時代がやっと追いついた! 今、再評価されるクロスロード、ビークロス、ロッキー

「SUV大国ニッポン」とは……
日本のSUV史を紐解くと、まったく新たなコンセプトで時代に爪痕を残そうとした挑戦的なモデルがいくつもある。

当時としては斬新すぎたり、時代の波に合わなかったりで販売面では振るわなかったが、時代がようやく追いつき、今になって再評価されている車種も多い。
前回に続き、これぞ日本の名作と呼びたくなる3台のSUVを紹介しよう。
 

■ホンダ「クロスロード」(2代目)
苦節13年、早過ぎた角形ボディ

1980年代から湧き起こったRVブーム。ホンダは自社のラインナップにRVがなかったため、ランドローバーから「ディスカバリー」のOEM供給を受けることに。これが1993年に登場した初代「クロスロード」だ。
こちらは2代目「クロスロード」。
この初代登場後、自社初のSUVとして「CR-V」が登場したこともあり、初代「クロスロード」は1998年末で発売が終了。
それから9年後、2007年2月にホンダオリジナルのSUVが「クロスロード」という名前で登場した。今回取り上げるのは、この2代目「クロスロード」。

全長4285mmと、現在のホンダ「ヴェゼル」なみのコンパクトSUVだが、スポーティなコンパクトミニバンの「ストリーム」をベースにしているので、3列シートを備えていた。当時も今もこのサイズで3列シートを備えたSUVは珍しい。
ベースの「ストリーム」は全幅が1700mm以下の5ナンバーサイズだったが、クロスロードは1755mmまで全幅が拡大され、ボディサイドも切り立たっているため室内空間にゆとりがある。
クロスロードはこのボディ構造を活かし、直線的でゴツゴツした、かつてのRVを彷彿させる武骨なデザインにまとめられた。
ところが当時は流れるようなデザインのプレミアムクロスオーバーモデルが全盛。残念ながら「クロスロード」への注目度は上がらず、わずか3年8カ月で歴史に幕を下ろすことになった。

しかし、数年ほど前から世の中が流線形ボディじゃない車を求め始めたことで「こだわりのあるクルマに乗りたい」人の間で、「クロスロード」をカスタムするのがちょっとしたブームになっている。
2007年の登場から苦節13年、ある意味、デビューが早すぎたとも言える悲運のモデルだった。


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