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2020.07.03

テスラ。時代の寵児が率いる、すべてが常識ハズレな新世代の自動車メーカー

「車のトリセツ」とは……

アイアンマンのモデルとなった起業家が自動車業界に殴り込み

2003年、スタートアップの聖地であるアメリカ、カリフォルニア州シリコンバレーに、小さなEVベンチャーが誕生した。テスラモーターズ。現在のテスラである。
テスラが一躍有名になったのは、起業家であるイーロン・マスクがCEOに就任した2008年あたりからだろう。映画『アベンジャーズ』の主人公のひとり、アイアンマン(=トニー・スターク)のモデルと言われるほど、今や有名な起業家だ。
テスラの「ロードスター」。新車時の車両本体価格は日本円で約1000万円。650台の受注生産だった。
テスラが初めての市販車「ロードスター」を発売したのは2008年。イーロン・マスクがCEOに就任した頃だ。
車体開発はイギリスのスポーツカーメーカー、ロータスが援助。プロトタイプは「ロータス エリーゼ」をベースにしており、市販される際も一部の部品は流用された。ちなみに電池は三洋電機製で、それらにテスラが開発したEVシステムが搭載される。
「ロードスター」の0-60マイル(0-96km/h)の加速は3.9秒。これは、フェラーリやランボルギーニといったスーパースポーツカーに匹敵する性能である。また、1回の充電で約400kmを走る、当時としては驚異のバッテリーテクノロジーも話題となった。
同車は高額にも関わらず、その先進性から多くの感度の高い車好きたちに受け入れられ、順調に販売台数を伸ばす。ハリウッドスターの一部が購入したことも、イメージアップにつながっていった。


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