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2019.12.15

洗練×アウトドア。街と郊外をクロスオーバーさせる3カテゴリーの車

街で洗練を誇り、同時にアウトドアでも高い実用性を持つ車といえば、SUVが真っ先に挙がる。が、それに劣らず魅力的な車があることを忘れていないか!?
逞しく美しい「ワゴン」、積載性だけじゃない「バン」、遊び専用「セカンドカー」という3カテゴリーのことだ。
 

逞しく美しい「ワゴン」

ステーションワゴンとは、最もフォーマルな自動車のデザインとされるセダンのお尻を荷物がたくさん積めるように延ばしたもの。しかし、ステーションワゴンと一口で言えないほどあまたのバリエーションが存在する。そのなかで俺たちが選ぶのは、実用性だけではない、逞しくも美しいものに限る。
たとえば、ポルシェ パナメーラという車は5mを超えるセダンである。そんなセダンの最高峰のリアデザインをワゴンのようにし、荷室量を高めたのがこのパナメーラ スポーツツーリスモだ。
「ポルシェ パナメーラ スポーツツーリスモ」セダンは4人乗りだったが、こちらは後席3人掛けの5人定員(オプションで2人掛けも選択可能)。
「ポルシェ パナメーラ スポーツツーリスモ」セダンは4人乗りだったが、こちらは後席3人掛けの5人定員(オプションで2人掛けも選択可能)。荷室容量も20L増えており、使い勝手は格段に向上。しかも、オリジナルの美しさをキープしている点がエライ。1331万2037円。
この車は、都会では高級ホテルに代表されるようなフォーマルな場所で堂々の品格を放ち、その一方、同門の911もかくやのスポーツ性能を持ち合わせる。さらに、この荷室によって海や山へのアクティビティに対するエクイップメントも飲み込むのだから、これ以上何が必要だというのか。
しかも、このパナメーラ スポーツツーリスモは高速道路での安定感も最高だから、長距離ドライブをいとわない。つまり簡単に街と自然をクロスオーバーできてしまうのだ。さらにプラグインハイブリッドで4輪駆動のモデル。これ以上求めたらバチが当たりそうだ。
逞しく美しい「ワゴン」カタログ

[上]ジャガー XF スポーツブレイク
かつての英国貴族がスポーツカーであるXJのリアをワゴン仕様にして、狩猟用にしたシューティングブレークを彷彿とさせるのがこちらの車だ。ディーゼルエンジンのみの展開となるのもツウ好み。765万円〜。
[中]マツダ6 ワゴン
「毎日を、光り輝く、美しいものにしたい。」というコンセプトのもとに誕生したのが6シリーズだ。エッジの利いた美しいエクステリアは街に映え、新設計エンジンが力強い走りを約束してくれる。289万3000円〜。
[下]メルセデス・ベンツ Cクラス ステーションワゴン
足りないものは何もない。そう思わせるのがCクラスのワゴンだ。美しいデザインに、先進運転支援や安全装備がぎっしりと詰め込まれている。このクラスのベンチマークといえる存在。488万円〜。
 

遊び専用「セカンドカー」

「スズキ ジムニー」1970年の誕生から昨年デビューの現行JB64型で4代目に。
「スズキ ジムニー」1970年の誕生から昨年デビューの現行JB64型で4代目に。軽自動車のジムニーと、普通乗用車規格の同シエラ(JB74型)があるが、いずれも基本骨格は変わらない。ナンバー以外の見分け方はオーバーフェンダーなど。135万円~。 フリース3万8000円/ポールワーズ 0120-800-392、キャップ6900円/ウールリッチ(ウールリッチ 青山店 03-6712-5026)、パンツ1万4000円/ワイルドシングス×ビューティ&ユース(ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 渋谷公園通り店 03-5428-1893)
俺たちの大好きなGクラスの魅力を簡単にいうと、ミルスペックを民生化した点、とどのつまりは本格オフローダーの機能性にある(メルセデス・ベンツというブランド力はあるにせよ)。では、本格オフローダーの機能性とはなにか。それはスズキ ジムニーに凝縮されているのだ。
初代の登場は1970年。そこから現在に至るまでラダーフレーム、固定軸のサスペンション、4輪駆動を貫いている。そこにはナリは小さくとも「本物」が詰まっているのだ。セカンドカーには見えない。仮にファーストカーだったとしても胸を張れるものだ。
ライク・ア・セカンドカーが俺たちの遊びグルマ。つまりは一芸に秀でた小さな車がいい。街では小気味良く、アウトドアでは大胆に走れる車が俺たちの遊び専用「セカンドカー」。どれにしようか、想像するだけでワクワクしてくる。
遊び専用「セカンドカー」カタログ
「フィアット 500X」
299万円〜。
「フィアット 500X」
お洒落な小型車チンクエチェントのデザインを踏襲しながらも、少しだけ大型化し、車高も高められた都市型SUVがこちら。曲線と直線を絶妙に織り交ぜたイタリアンデザインが魅力だが、5人乗車のハッチバックで実用度も高い。
「スマート カブリオ ブラバス」
290万円〜。
「スマート カブリオ ブラバス」
全長3mの中にリアエンジン・リア駆動を詰め込んだ2人乗りにして、オープン、ブラバスという三役揃ったエンスーカー。2019年でガソリンモデルは生産中止とのこと。買うならいましかない! 一度乗ったら病みつき必至なのである。
 

積載性だけじゃない「バン」

「三菱 デリカ D:5」5代目デリカを意味する車名を持つ新型が登場したのは2019年2月。ディーゼルターボエンジンに4輪駆動を組み合わせたオールラウンドバンで、7~8名乗車定員。フロントフェイスのインパクトも話題に。355万8000円~。 ダウンジャケット9万8000円/アークティック エクスプローラー(ブルーウッド 03-5709-1098)、シャツジャケット 4万9000円/ウールリッチ(ウールリッチ 青山店 03-6712-5026)、パンツ2万4000円/ゴールドウイン(ゴールドウイン 丸の内 03-6268-0037)、チェア[オープン価格]/カーミットチェア(デイトナ・インターナショナル AME Div 03-3565-6914)
いわゆるワンボックスことバンの魅力は、人と荷物が同時にたくさん運べる点にある。力持ちで優しい、男の中の男の車がバンなのである。デザインは機能が決める、と言ったのはル・コルビュジェだったか。それを地で行く車が三菱のデリカD:5だ。
三菱はかつてWRCやパリダカといったラリーで活躍したメーカーだ。それゆえ、自然を走るための術を自社の歴史の中で知っている。もちろん、道なき道をただ走るだけならほかのメーカーの車でもできるだろう。しかし、このD:5が凄いのはたくさんの人と荷物を同時に積めるバンだという点だ。たくさん積めば車は重くなるのは必然。重くなれば山は登れず、ぬかるみに足を取られるのは車も人も同じ。
それをいとわず、D:5は物凄い傾斜やゆるい路面を突き進む。そしてその先にはたくさんの人と物があるからこそ味わえる、体験できる何かがあるのだ。それをしたいがゆえに、男の中の男はD:5を選ぶ。
積載性だけじゃない「バン」カタログ
「メルセデス・ベンツ Vクラス」
740万円〜。
「メルセデス・ベンツ Vクラス」
祝! 2019年10月に、マイナーチェンジが施されたVクラスの日本導入が発表された。2列目シートは独立型の7人乗りが標準で、シートアレンジは豊富。全長が標準、ロング、スーパーロングの3つのモデルを展開。エンジンはディーゼルとガソリンを用意する。
「ルノー カングー」
254万6000円〜。
「ルノー カングー」
もともとはベーカリーショップやフラワーショップなどの貨物用に端を発すが、そこはフランス車であるから乗り心地良く、お洒落なデザインがちりばめられている。スクエアな荷台をキャンプ仕様にする人も多い。マニュアル仕様もあるのもうれしい。
 
山本雄生、遠藤優貴=写真 平 健一、葛西信博=スタイリング MASAYUKI(The VOICE)、小林雄美=ヘアメイク 増田海治郎、荻山 尚、増山直樹、iconic=文


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