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2019.09.05

価格は2420万円! 究極の「GT-R」NISMO 2020年モデルは何が違うのか

当記事は、「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちらから。
7月にドイツのベルリンにあるDEKRAラウジッツリングサーキットにて、Nissan GT-R NISMO 2020年モデルのグローバル試乗会が開催された(写真:日産自動車)
7月にドイツのベルリンにあるDEKRAラウジッツリングサーキットにて、Nissan GT-R NISMO 2020年モデルのグローバル試乗会が開催された(写真:日産自動車)
価格は2420万円――。まさに究極のGT-Rの登場である。ニッサンGT-R NISMOの2020年モデルは、2017年に登場した先代の1870万0200円から、一気に600万円近くも跳ね上がった驚きの価格で世に出た。
実は今年はGT-Rのアニバーサリーイヤーである。1969年、いわゆる“ハコスカ”の時代に初代スカイラインGT-Rがデビューしてから50年、そして1989年に長いブランクを経て第2世代GT-Rとして今も根強い人気を誇るR32型スカイラインGT-Rが登場してから30年という節目の年なのだ。
スカイラインの名が外れたニッサンGT-Rとして、第3世代に当たる現行モデルが世に出たのは2007年。もう12年も前の話となるが、このタイミングでGT-Rはマイナーチェンジを敢行し、2020年モデルへと進化した。とくに今回のモデルでは、冒頭のGT-R NISMOに大きく手が入れられている。

開発陣の確固たる哲学


2014年に登場した最初のGT-R NISMOは、高性能車の速さの指標であるドイツ ニュルブルクリンク北コースで7分8秒679という、当時としては驚異的なラップタイムを叩き出した存在である。
しかしながら新型GT-R NISMO、実は前回2017年のマイナーチェンジに続いて今回も600psという最高出力は変わっていない。高性能車を取り巻く状況は刻々と変化していて、今や600psという数字も驚くほどではなくなっているが、その背景には開発陣の確固たる哲学があった。
「出力は同じでもエンジンのレスポンスは徹底的に向上させました。また接地性を高めるタイヤ、サスペンション、空力、そして制動力を引き上げるブレーキの改良で、600psをさらに容易に引き出せるクルマに仕上げたんです」。
そう語るのは、まさに2014年モデルからGT-R、GT-R NISMOの開発責任者の任についた日産自動車の商品企画本部チーフ・プロダクト・スペシャリストの田村宏志氏である。


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