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2019.02.16

「カーシェア」って実際どう? リアルユーザー4家族から見えた“小回り”利く生活

最近、近くの駐車場やコインパーキングでもよく見る「カーシェア」の文字。便利そうなことはわかるし、周囲で「使ってる」って声もちらほら聞く。しかし“こだわりのマイカー”に憧れて育った世代としては「実際どうなのよ?」って思ってしまう自分も……。

国内最大級のカーシェアサービス「タイムズ カー プラス」と、すでにカーシェアを活用しているユーザーに直撃取材し、さまざまなメリットをあぶり出してみた。

 

そもそもカーシェアって何がいい?

カーシェアの主なメリットとしては下記がある。
カーシェアのメリット
・車を所有しないので購入費や税金、駐車場代、自動車保険料などが不要。
・ガソリン代が不要。借りる際&返却時に店舗等での手続きも不要。
・15分単位など、短時間の利用が可能。
・住宅街や駅前に車のある場所(ステーションという)が多く、アクセスが簡単。
つまり、所有するよりも車に関する費用を抑えやすく、レンタカーよりも手軽に使えるというのが第一のメリット。
さらに車が好きな人であれば「いろんな車に乗れる」というのもうれしいだろう。例えば下のような車種も、現在国内のカーシェアサービスで乗ることができる(カーシェアリング運営会社により異なる)。
左上●ミニクロスオーバー(画像提供:BMW) 右上●トヨタCH-R(画像提供:トヨタ) 左下● トヨタアルファード(画像提供:トヨタ) 右下●メルセデス・ベンツCクラス(画像提供:メルセデス・ベンツ)
タイプも軽自動車からワゴン、ミニバン、SUV、ハイブリッドカーや電気自動車までと豊富。家族とのドライブでSUV、友達と大勢で出かけたいからミニバン、さらには単純に乗ってみたいから電気自動車など、目的に合わせて選ぶことができる。
こうした便利さからカーシェアの利用者数は5年前時点では全国で約29万人であったが、そこから加速的に増え現在はその約4.5倍、約132万人(※1)にまで増えていると言われる。
では、このカーシェアがどのようにカーライフを充実させてくれるのか、「タイムズ カー プラス」のユーザー4家族に聞いてみよう。
 

【リアルユーザーに聞いたカーシェア・ライフ】

事例1:「近所のスーパーから千葉の海まで。小回りの利く休日を楽しむ」
葛西さんファミリー(夫30歳、妻30歳)

結婚してまだ1年ちょっとの葛西さん夫婦。都心で暮らすふたりゆえ本来はどこへ出かけるにも、公共交通機関を手軽に使える。けれどふたりの時間を作るために、車は必要だという。

「しょっちゅうドライブに出かけます。最近は南房総まで行きました。別に行楽地じゃなくてもいいんです。例えばちょっとした買い物も、車に乗って少し離れたショッピングセンターへ出かければふたりでのドライブとして楽しめますよね。そのためにカーシェアを利用しています」。
「車に乗るのは、ふと思い立ったときが多いですね。車を買うと維持費がかかるけれど、カーシェアなら駐車場代もガソリン代も気にしなくて良いですからね。限られた生活費の中でどこにお金をかけるか、という“小回り”が利くんですよ」。
車に関するコストを抑えられれば、その分、行った先々で少し贅沢できる。また「ミニなどお洒落な車だと、ドライブの気分もアガりますよね」と乗る車のグレードにもこだわれる。
都心に暮らし、日々の経費はミニマムにしつつ、楽しい体験にこそお金と時間をかけたい。そんなふたりにとってカーシェアは欠かせないようだ。
 
事例2:「夫婦揃ってのアウトドアライフを“いろんな車”で楽しむ」
戸田さんファミリー(夫41歳、妻36歳)

お互いが山中湖でウェイクボードを楽しんでいたことがきっかけで知り合い、結婚したおふたり。当時はともに実家暮らしで、夫は車も持っていた。結婚を機に都心に移り住んだが、都心の駐車場代の高さに驚いたそうだ。

「それでも夏のシーズンには、ウェイクボードを楽しみたかった。でもウェイクボードって車がないと不便なので、実家に車を置き、その度に取りに行っていました。そんなときにネットでカーシェアを知ったんです」。
住んでいるマンションから徒歩10分圏内にステーションが10カ所以上もある。以来、夏はウェイクボード、冬はスキーやスノーボードでカーシェアを年中利用しているという。
「近くに10カ所以上あるんで、いろんな車に乗れるのが楽しすぎて。普段は運転しやすいホンダのフィットやトヨタのプリウス、日産ノート。ほかにもBMW1シリーズ、アウディA1。以前にはVWビートル……。あ、実家で親戚家族を乗せないといけないときはミニバンも借りましたね」。といろんな車種を楽しんでいる。
妻も「結婚後も友達と女子旅をたまにするんですが、その際に好きな赤い色の車を利用して気分をアゲてます」とカーシェア・ライフを満喫中。
「モノの所有よりも体験が大事」という戸田さん。「その点カーシェアは、いろんな車でいろんな体験ができて、僕たちのニーズにピッタリはまっていると思います」。
 
事例3:「忙しい子育てライフを快適に楽しむ」
木村さんファミリー(夫39歳、妻39歳、娘4歳)

結婚して都心にマンションを購入した木村さん。「車を持つことは考えませんでした。電車でどこへでも出かけられる場所でしたから」。

ところが子供が生まれ、何かと買い物をする機会が増えると頻繁にカーシェアを利用するように、「やっぱり車があると子供用品などがまとめ買いしやすいんですよ。ベビーカーも積めるし、ジュニアシートも車にあらかじめ積まれてますし。電車でも行けるけれど、小さい子供と一緒に出かけて、大量の荷物を持ち帰るとなると結構大変ですから」。
妻は子供を連れてときどき埼玉県の実家へ顔を出すこともあるのだが、そのお迎えにも夫がカーシェアを利用している。「帰り際にご両親からいろいろいただくので(笑)車のほうが便利です」。
小さな子供がいてカーシェアを使うとなると、ほかの人の使い方や清潔さが気になるが、その辺はどうなのだろう?
「みんなほんとにキレイに使っていますから、困ったことはないですね。自分で使ってたらもっと汚いかもって思うぐらい(笑)、いつもガソリンも入れてくれているし(※2)。だから、自分もちゃんと使い方を気を遣うようになりますよね。都心での子育てをカーシェアがこんなに快適にしてくれるとは思いませんでした」。
忙しい子育ての中で、カーシェアの利用シーンが次々と増えていく木村さんファミリーだ。
 
事例4:「家族時間もひとり時間も楽しむ」
河口さんファミリー(夫36歳、妻34歳、娘6歳、娘4歳)

「子供がまだ幼いので、荷物が結構あるんですよ。だから電車で出かけられる場所でもカーシェアリングを利用しています」。
電車では荷物が多くて周りに気を使うし、子供がぐずったら大変。それに途中で寄り道ができない。せっかくの家族のお出かけも、疲れるばかりでなかなか楽しめないという。

家族で遊園地や水族館などへ出かけるときも、買い物へもカーシェアを活用。「レンタカーだと、いちいち営業所まで行って、書類に住所や名前を書いたり、免許証を見せたり、返す前にガソリンを入れたり、手間と時間が意外とかかるんですよね。その点カーシェアなら、出かける前にスマートフォンで予約するだけで簡単ですから。子供との時間を取れるんです」。
また河口さんは全国を飛び回る仕事のため、出張先でもカーシェアをよく利用しているという。「打ち合わせが主なので、2〜3時間借りられればいいんです。だからレンタカーよりカーシェアを利用しています。電車と違って、早めに仕事が終わったときなんかはふと思い立って近くの日帰り温泉に足を伸ばせるなど、ひとりでの出張を楽しめるところも気に入っています」。
妻も「ずっと子供の送り迎えは自転車を使っていました。でも雨の日は大変だし、ふたりを乗せて走るのはかなり恐怖です(笑)。カーシェアなら送り迎えも、行きはひとりで音楽とか聴きながら楽しめるし、雨の日も安心ですよね」。
家族の時間を楽しむため、そして仕事や家事の合間にも、カーシェアは役立ってくれているようだ。
 
家族での時間を楽しむにはやっぱり車があると便利。カーシェアなら、手間や費用を抑えた分を、より家族のために使える。「所有よりも体験が大事」なファミリーにとって、カーシェア・ライフという選択は、新たな楽しみをもたらしてくれるのではないだろうか。

※1:2018年3月時点。公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団調べ。
※2:タイムズ カー プラスの場合、返却前にガソリンが減っていたら車内に備わっている専用の給油・洗車カードを使ってガソリンを入れることを推奨。ユーザーがガソリン代を支払う必要がない。
[取材協力]
タイムズ カー プラス
https://plus.timescar.jp/
籠島康弘=取材・文


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