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2025.09.30

「もう他の車には乗れないかも」。プロサーファーが語る「トヨタ・ハイエース」の長所&短所


連載:俺のクルマと、アイツのクルマ 
男にとって車は名刺代わり。だから、いい車に乗っている人に男は憧れる。じゃあ“いい車”のいいって何だ? その実態を探るため、数々の車好きに話を伺っていく企画。
【写真16点】「もう他の車には乗れないかも。プロサーファーが語る『トヨタ・ハイエース』」の詳細を写真でチェック
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■63人目

平原颯馬(23歳)


2001年生まれ、神奈川県出身。両親の影響で8歳からサーフィンを始め、幼い頃から数々のタイトルを獲得し、15歳でプロ入り。日本代表にも選ばれる。2020年8月に放送されたAmebaTV 「オオカミくんには騙されない」の出演をきっかけに芸能活動もスタート。instagram@soma_hirahara


「トヨタ・ハイエース」(U-BASEオリジナルのキャンピングカー仕様)


彼の商用バンは高い耐久性と広い荷室を備え、配送業や送迎など多用途に対応する。ワゴン、コミューターと他にもタイプが展開され、世界中で支持される車のひとつとなっている。マットなモスグリーンのボディが印象的で、落ち着きがありながらも確かな存在感を放つ。キャンピングカー仕様。四駆のディーゼルエンジンを搭載する。


気分一新、ハイエースとの新しい日々



プロサーファーの平原颯馬さんが、人生で初めてマイカーを手にしたのは3年前、20歳のとき。サーファーの代名詞とも言える「トヨタ・ハイラックス」でデビューを飾った。

それから2年後、初代の愛車を手放し、自身のスポンサーであるU-BASE SHONANから提供されたハイエースに乗り換えた。内心は正直、戸惑いもあったと当時を振り返る。
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「ハイラックスは格好良かったし、大好きでした。だから、次はハイエースかぁ……と少し驚きながらも、ワクワクしました。で、提供してもらったのは、オリジナルにカスタムしたキャンピングカー仕様で色も商用車には見えないモスグリーン。僕の相棒としてはまだ1年目ですが、すっかり調子いいっす」。



ハイラックスとハイエース、どちらも良し悪しを知っている平原さんだが、「サーファーという職業に向いているのは……」と軍配を上げるのはハイエースの方だった。

「とにかく中が広いんですよ。サーフボードを14本も乗せたことがあります。友だちとサーフトリップに行くことが多いので、人の数も荷物の量も気にしなくていいのは助かりますね。ハイラックスは名残惜しかったですが、納車されて1週間くらいで、『ハイエースの方がいいかもね』って友だちと話したのを覚えています」。



平原さん「デジタルミラーだと、荷物をどんなにギアを積んでいてもちゃんと後ろが見えるので、かなり安心ですね」。


平原さんの地元・神奈川県茅ヶ崎市は、細い道が多いことで有名だ。車体の大きさは交通の便を左右する重要なファクターであり、その点を上げてもハイラックスよりハイエースの方が評価が高いようだ。

「茅ヶ崎の道はとにかく狭くて、車が大きすぎると通れない道が多いんです。ハイラックスは車幅があったので切り返しが結構大変でしたけど、ハイエースは意外にコンパクトで運転席からの見晴らしもいい。運転しやすいです。ボンネットも短いので、前方をギリギリまで攻めることができますし」。


1トン超えの積載量を想定したハイエースは、荷室を確保するためにボンネットの厚みをなくしている。そのため、運転席はタイヤのうえに位置し、見切り性能においては文句の付けようがない。


ハイエースの開放感。仲間が集まる“自分の家”



キャンピングカーにカスタムされた平原さんのハイエースだが、キャンプへ行ったのは過去に1回だけだという。日常の移動とサーフトリップに使うことがほとんどで、荷室を覗いてみると、サーファーの日常がありありと目に浮かぶほどサーフギアが乱雑に放り込まれていた。

「ハイエースは開放感がありすぎて、荷下ろしをついつい忘れちゃうんですよ(笑)。タオル、ボード、デッキパッチ、ウェットスーツ、キャンピングチェア、スケートボード……。散乱していますよね。友だちもたくさん乗るので、彼らの忘れ物も多いんです。僕の荷物が半分、友だちの荷物が半分って感じかな。誰のかわからない水筒も残っているんです」。



後ろを振り返り、車室を眺めながらこう続ける。

「足も投げ出せるくらい空間が広いじゃないですか。だから、床も砂だらけ。時々後ろを見てびっくりすることがあるんですよ。『いつの間にこんなに汚くなったんだよ……』って。ほぼ、僕の家と化していますね(笑)」。



装備されている冷蔵庫やテーブル、フルフラットになるベッドはまだ有効活用できていないようだが、そのうちまた仲間とキャンプに出かけたいとも話す。

「ハイエースに乗り換えてから、キャンプに行こうぜって仲間から催促されています。冷蔵庫やテーブルと、宝の持ち腐れになっているものが多いので、そのうち荷物を整理していきたいですね。でも、このシャワーに関してはすでにめちゃくちゃ重宝していますよ。

サーブボードは海から上がってすぐに洗わないと塩で痛むんです。それに、そのまま放置すると次に乗るときに足が滑る。ボードを水で洗えるのは、かなりありがたいし、節水できるのも気に入っています」。



サーフトリップにぴったりの、心強い機能性

平原さんのハイエースは走行充電できるバッテリーも装備している。いつでも身近に電気があるという安心感は、長距離運転で特に高まるようだ。

「一度、友だちと運転を交代しながら、この車で宮崎まで行きました。神戸から宮崎まではフェリー移動ですが、電源はあるし、四駆でディーゼルだから安心。いざとなったら車中泊ができる。どこまでも走れる頼もしさがありますね」。



「ナビがでかくて調子いいんですよ」。マップを大画面で見られるのは高ポイント。


平原さんのハイエースはディーゼルモデルのため、低燃費。財布に優しいという金銭的メリットもある。

「トリップが多くてもディーゼルなので、満タンにしても8000円くらい。燃費はリッター10km前後で財布に優しいんです。仲間たちと経費を割り勘すればいろいろ安く済むし、サーファーには本当におすすめの車だと思います。

ただ、ひとつ気をつけたいポイントがあって……」。


前列の中央のシートを下げればコンソールボックスが現われ、上げれば3人が座れる3シーターに。


最愛の相棒になりつつあるこのハイエースには、平原さんを悩ませる「横風」の問題があるという。

「横風を感じやすく、その度に揺れるのが少し怖い。ビビりなのかもしれないですけど……。ハンドルを取られないように、全集中していますし、スピードもあまり出さないようにしています。

以前のハイラックスにあったクルーズコントロール機能が、この車にもついたらさらにベストですね」。


最後はハイラックスの良さに懐かしさを覚えながら、ハイエースならではの一面を紹介してくれた平原さん。

「でも、なんだかんだ言って僕はもうハイエースしか無理かも。それくらいの相棒になりつつありますね。返却を求められたら、買い取るつもりです(笑)」。

仲間とギアを詰め込める“自分の家”のような空間は、やっぱり何にも代えがたいようだ。

丸益功紀(BOIL)=写真 ぎぎまき=取材・文

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