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すべての写真を見る会社では報・連・相も問題なし。会議でも発言してる。なのに、家に帰ると「また黙ってる」「ちゃんと言ってくれなきゃ分からない」と妻に怒られる……。
今、静かに深刻化しているのが「家だと言語化できない夫」に対する妻たちの不満だ。
なぜ仕事では話せるのに、妻との会話となるとうまくいかないのか? “ウチの夫は言語化できない”という不名誉なレッテルを回避するには、どうすべきか? 夫婦問題のプロに聞いた。
聞いたのはこの人!
高草木陽光さん●「HaRuカウンセリングオフィス」代表を務める夫婦問題カウンセラー。自身の夫婦関係の葛藤をきっかけに「結婚生活の本質」を考え、2009年にNPO法人日本家族問題相談連盟の認定カウンセラー資格を取得。著書に『ホンネがわかる 妻ことば超訳辞典』(青春出版社)、『なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか』(左右社)など。https://haru-counseling.com/
相当根深い? 会社では話せるのに、なぜ「家」だと黙るのか問題

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—―仕事中は普通に会話しているのに、家では言葉足らずな夫が多すぎる!という指摘が巷ではあるようです。なぜでしょうか?原因はいくつかありますが、性差や育った環境といった社会的な刷り込みの影響は大きいです。「男は黙って◯◯」的な価値観で育ってきた人、特に40代以上にはまだまだ多いですし、一昔前は、「男は多くを語らず寡黙が美徳」というイメージが社会的に刷り込まれていたんですよね。
また、「男の子は泣いちゃだめ」と育てられた人も多いので、感情を出したり、言葉にしたりすることが“弱さ”だと捉えている人もたくさんいます。そういった「男はこうあるべき」という環境が影響していると考えられます。
—―たしかに、父親世代からそういう雰囲気はありましたよね。あとは脳の構造差もあります。女性は右脳と左脳をつなぐ“脳梁”が太く、感情と言葉をスムーズに結びつけやすい。つまり、女性は感情が湧いたらすぐに言葉にできる。一方で男性は、その切り替えが苦手な人も多いんです。
—―なるほど。社会的な刷り込みに加えて、脳の仕組みまで関係していると。さらに、結婚した途端に言語化できなくなる人も多いです。それまでは、一生懸命に口説いたりデートに誘ったりしていたのに、「釣った魚に餌をやらない」状態になってしまう。
要は緊張感がなくなり、「言わなくても分かるだろう」という甘えが出てしまう。緊張感がなくなった結果、言葉にする努力をやめてしまうんですね。
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