「STAY YOUNG総合研究所」とは……▶︎
すべての写真を見るサプリを飲むなら、そのパフォーマンスを最大限に引き出す飲み方が知りたい。そう思う人は少なくないはずだ。
コスメやサプリの成分を知り尽くす研究者・竹岡篤史さんは言う。何より大切なのは「飲むタイミング」なのだ。
| スキンケア成分ハンター 竹岡篤史さん 国立研究所でワクチンや成分開発に従事。2016年にはヨーロッパの美容・コスメイベント「イン・コスメティクス」にてイノベーションアワード金賞に輝いた成分研究のエキスパート。その後もさまざまな化粧品やサプリの開発に力を注ぐ。サプリマニアでもあり、健康維持のために毎日こまめにサプリを飲み分けている。 |
サプリの基礎知識
——OCEANS世代でも、サプリユーザーがどんどん増えています。何か理由があるのですか?そもそもサプリは、毎日の食事で不足しがちな栄養素をサプリで補うための健康補助食品でした。ですが、最近は栄養素の不足によって起こる疾患の予防や改善のために飲む、という意識に変わりつつあります。
これって栄養素が細胞にどのように作用するのかを分子レベルで考える分子栄養学の考え方に通じるもの。つまり、健康寿命を延ばす手段としてサプリを捉えている人が増えているように思います。
——ただ、サプリを飲もうと思っても、種類があり過ぎて何を選んだらいいのかが分からず……。ざっくりですが、ビタミン・ミネラル系、脂溶性ビタミン系、抗酸化物質系、オメガ脂肪酸、乳酸菌系の5系統に分類できます。それぞれの系統からバランス良く選ぶのがいいと思います。
——ビギナーにおすすめのサプリはありますか?サプリは飲み続ける必要があるのですが、途中でやめてしまう人も少なくありません。しかし、ビタミンB群とCなどは、飲み始めると比較的すぐに手ごたえを感じられるので、長続きしやすいでしょう。
——竹岡さんのお気に入りがあれば、ぜひ教えてください。グルタチオンはいいですよ。これはグルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸が結合したペプチドで、体内の細胞に存在する抗酸化物質です。活性酸素の無毒化や免疫機能の向上、薬物・毒物の解毒作用などさまざまな働きを持っています。私はお酒をよく飲むので、就寝前に飲んでいます。寝覚めのスッキリ感が違いますね。
N-アセチル-L-システインもおすすめ。NACとも呼ばれるこの栄養素には、細胞内の活性酸素の働き(酸化ストレス)を阻止する働きのほか、解毒、抗酸化作用、骨の再生などの効果があります。疲れやストレスを感じたときに重宝しています。いずれも日本ではまだそれほど普及していないため、手に入れるのがけっこう難しいですけど。
——OCEANS世代にぴったり!ただ、どうせ飲むなら、そのパフォーマンスを最大限に引き出したい。どうすればいいですか?飲み合わせというテクニックがあります。ビタミンB群なんかは複数のほうがベター。ビタミンBやBなどを併用したことで、健康効果が高まったというデータも。ほかにも、鉄とビタミンC、カルシウムとビタミンDなんかも吸収の促進が期待できます。
私はグルタチオンとビタミンB群、C、Eを組み合わせるのが好き。それぞれの相乗作用によって抗酸化サイクルをキープできるんです。でもいちばん大切なのは飲むタイミングでしょう。
——タイミングですか?サプリは一度にまとめて飲むよりも、何度かに分けて飲む方が、吸収効率が高まるんです。私は一日のタイムスケジュールに合わせて飲んでいます。
朝はマルチビタミンなどのエネルギーを高めるようなサプリを飲んで、昼食後はシステインやビタミンB群で仕事のストレスをケア。夕食後に免疫力を高めるビタミンDを飲んで、就寝前はグルタチオンで睡眠中のデトックスを促す、といった具合に。
——まさに適材適所ですね。スポーツやトレーニングをする人なら、運動前に栄養素をエネルギーに変換するビタミンB群を摂ったり、運動後に炎症を抑える抗酸化物質を摂ったりするのもいいでしょう。
成分の特性を知って、自分のライフスタイルに合わせてベストタイミングで飲む。これがサプリマスターへの道です。
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