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2025.04.25

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“神は細部に宿る”とはまさにこういうこと!「OFUDA-DEN」の神棚に感じる伝統工芸の矜持

本体は檜、ピンはブラックウォールナットを使用。すべて桜製作所で手作りしているミニマルな神棚「OFUDA-DEN」。 約540g H390×W120×D120mm(H450mmの大サイズもあり) 2万8600円/桜製作所(桜製作所 銀座店 03-3547-8118)

本体は檜、ピンはブラックウォールナットを使用。すべて桜製作所で手作りしているミニマルな神棚「OFUDA-DEN」。約540g H390×W120×D120mm(H450mmの大サイズもあり)2万8600円/桜製作所(桜製作所 銀座店 03-3547-8118)


「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……
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神棚というと大きくて仰々しいイメージですが、最近はモダンなデザインのものも増えているようです。そんな中、インテリアがとても素敵な先輩のお宅で使っていたのがこの「OFUDA-DEN」。

お札殿?名前がキャッチーですね。早速家と会社の両方で、大切なお札を入れて使っています。棚の上に置いてもいいし、穴が開いているので壁に掛けることもできる。

我が家ではインテリアに馴染むよう、檜の無垢材にワックスを塗って色を濃くしています。ほかにも、より宮殿に近いイメージの朱塗りバージョンもあるそうです。

お宮をミニマルに表現したというデザインは、屋根の急な傾斜がポイントですが、これは伊勢神宮の屋根の勾配に倣ったそう。
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そして地板と背板はお宮の床と壁でもあるので、決して崩れることがないよう、ジョイント部分に“蟻組み”と呼ばれる、木材に逆三角形の穴を開けてつなぐ建築手法を採用。この構造だと絶対に外れることはないのだそうです。

何かの衝撃でお札が落ちないようにと考案された、お札止めと本体をつなぐ部分には、ブラックウォールナット無垢材のピンが留められていたりと、いたるところに職人技が惜しみなく盛り込まれ、日本の手仕事の奥深さに頭が下がります。

このデザインを考えたのは、アートディレクターで陶芸家の稲生一平氏。そして製作を請け負ったのが香川県高松市でジョージ ナカシマの家具などを作る桜製作所。

以前、工場見学に訪れて、その丁寧な物づくりに感動したことがありますが、この「OFUDA-DEN」にも伝統工芸の矜持を感じることができます。

「神は細部に宿る」といいますが、これはまさに見えない部分にまで職人技を活かしたデザイン。シンプルなものほどディテールが大切だということを改めて教えてくれますね。
藤井隆行●東京を代表するブランド、ノンネイティブのデザイナーで、ファッションからライフスタイルまで一貫したこだわりを持つ。「3年前に購入したフルEVカーの買い替えを検討中。車業界の情勢が目まぐるしく変化しているため、非常に悩ましいです」。

竹内一将(Ye)=写真 町田あゆみ=文

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