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名店③ 現役イタリアンシェフの個性が投影された「麺屋 黒べぇ」 



こちらは2024年4月にオープンした「麺屋 黒べぇ」。

店主・三島氏は、「麺屋 黒べぇ」の2軒隣で、かねてから料理店「トラットリア イ・ルミナーレ」を営んでいる、現役のイタリアンシェフだ。

黒べぇの前に店を出していた人気店「麺屋こはく」の店主の体力が限界に達し、2023年5月に閉店。こはく店主の志を受け継ぎたいと、1年かけて独学でラーメンの作り方を研究し、元こはくだった物件を譲り受けた上で、今般の開業へとこぎつけた。

店舗の場所は、最寄り駅である上総村上駅(小湊鉄道)から約1.9km。やや距離はあるが、十分徒歩圏に入る。また、店舗が車の往来が盛んな国分寺中通りに面しているので、営業時間中は、客足が途絶えることのない賑わいを見せている。


 
複数の麺メニューを提供するが、初訪問時に召し上がっていただきたいのは、店主の個性と経験が余すところなく投影された「濃厚鶏白湯トマト」。

スープは、鶏ガラと鶏肉とを、細心の注意を払いながら6時間炊き上げたもの。煮込む前に鶏ガラをオーブンで焼き、濃度調整に米粉を活用する独特の手法は、店主が料理店の料理を作る際に用いる「フォンドボー」の製法を応用したものだ。


 
スープをすすると、完成までに3日を要し、「イ・ルミナーレ」の料理にも使われる本格派トマトソースのフルーティーな風味と深いコクが、快楽中枢をダイレクトアタック。食べ進めるにつれて勢いよく伸び上がるフレッシュな鶏滋味も、食べ手の胃袋を確実につかみ取る。

トマトソースと鶏白湯出汁との相性も抜群で、両者が繰り広げる華麗な競演に、思わず忘我の境地に陥ってしまった。オープンからまだ日は浅いものの、既に多くの常連客を獲得している。

市原の地になくてはならないラーメン店として認知されるのも、そう遠い未来の話ではないだろう。
麺屋 黒べぇ
住所:千葉県市原市北国分寺台1-8-1 1F
営業:11:00〜15:00/18:00〜22:00(日曜は〜21:00) 土祝は17:00〜21:00
定休:無休
Instagram:@menya_kurobee


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