“アンチポピュラー”が辿り着いた幻のミリタリーライン
ほぼ全型コンプリートしたという栗原さんのパタゴニアのミリタリーコレクション。90年代の王道パタゴニアヴィンテージではなく、知る人ぞ知るヴィンテージを集めるのが”栗原の流儀”。MARSからPCU(特殊部隊用)まで網羅。
ちなみに栗原さんはパタゴニアのMARSのコレクターであり、古着市場でその価値を高めた第一人者でもある。
「2010年頃にワイルドシングスのECWCS(エクワックス)
※に興味を持ち、そこから遡ってMARSに辿り着きました。
MARSは以前から認識していましたが、収集を始めたのは2010年頃から。ヴィンテージウェアの中でも特にミリタリーものが好きで、MARSに関しては独特のデザインや、アウトドアブランドが作ったミリタリーウェアという背景に惹かれました。当時はまだ認知度も低く、着ていても滅多に人と被りませんでした」。
※「Extended Cold Weather Clothing System」の略。80年代から2000年代初頭まで米軍で採用されていた拡張式寒冷地ウェア。 栗原さんが所有する数少ない“ザ パタゴニア”的なアイテムは、ポップさが際立つキャップ 、スプーンビル。いずれも90年代後半〜2000年代初頭にかけて製造されたもの。
栗原さんが理想とするパタゴニアのアイテムについて聞くと、ヴィンテージバイヤーならではの言葉が返ってきた。
「パタゴニアに限った話ではありませんが、着ていて『それ何?』と聞かれるような服が理想です。”古着好きあるある”なのかもしれませんね。
もちろん往年の名作を着て褒められるのもうれしいですが、個人的には詳細不明で、何を目的に作られたのかがわからない服が好き。
お金では買えない価値がありますし、想像したり調べたりするのも楽しいです。そういう意味では今回紹介したジャケットは、まさに理想のパタゴニアです」。