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役所広司が乗っていたら……

トヨタ センチュリーがSUVスタイルになったきっかけは、豊田章男会長の「僕たちの世代が乗りたくなるようなショーファーカーを開発してほしい」という鶴の一声だったという。

ちなみに豊田会長は1956年生まれ。同い年の日本のスターといえば、役所広司だ。

国際映画祭で役所広司がこの車から降りてレッドカーペットを歩く姿を想像すると……スキューバダイビングが趣味だという彼のアクティブなライフスタイルまでリンクしていて、めっちゃ格好いいじゃないですか。

ほかに1956年生まれを探せば、桑田佳祐も豊田会長と同い年。桑田佳祐がセンチュリーの後席に座って稲村ヶ崎辺りの海沿いの道を流したら……若いサーファーたちがサムズアップで歓迎してくれそうだ。

これがもしセダンのセンチュリーだったら、「俺たちと別の世界の人間だな」と、距離を感じてしまうのではないだろうか。

昔のショーファーカーの役目は、権威を誇示してイバることだった。けれども時代は変わって今、ショーファーカーの大事な役割は、「カッケェな」とか「ああいうふうになりたい」と思わせることではないか。

だからSUVのセンチュリーは、いいセンを突いていると思えるのだ。
モータージャーナリスト
サトータケシ
フリーランスのライター/エディター。暖冬で、雪道を走るロケなのに近場には雪がない。超遠征の予定を立てたその日に、東京でドカ雪が降ったとか。「人生ままならない」とボヤくことしきり。



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