花粉症に悩むのは日本人だけじゃない
――住んでいる地域で花粉症になりやすい、なりにくい、という差はありますか? あります。都道府県別のデータによれば、
沖縄県と北海道における花粉症の発症はごくわずか。理由は明白で、アレルゲンとなる花粉を出す植物がほとんど生育していないからです。なお、2023年度のスギ花粉症のベスト3は、山梨県、埼玉県、高知県です。
――そういえば、海外にも花粉症はありますか? はい。世界中で花粉症が報告され、日本と同様に大きな問題となっています。イギリス、スペイン、フランス、イタリアなどヨーロッパの各地ではイネ科、アメリカではブタクサ、オーストラリアではアカシア(ミモザ)、南アフリカではイトスギがおもな原因になっています。
――男女差や年齢によっての差はありますか? 男性よりも女性の方が花粉症になりやすい、という研究報告が見られます。ある調査では、花粉症の人の割合を男女別に見た場合、女性は41.8%に対して男性は35.7%という結果が出ています。また、
男性は40代以上になると、花粉症の人が少なくなる傾向があると報告されています。
子供の花粉症も増加傾向にあります。今までは小学校から10%以上で増加し、成人で30%くらいになっていましたが、最新のデータによれば、乳幼児で発症し始め、幼稚園から小学生の低学年(5~9歳)では30.1%と報告されています。
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