花粉飛散量も花粉症も増加傾向
――近頃、周囲に「花粉症がない」という人の方が珍しくなってきている気がするのですが……。やはり増えてきているのですか? 環境省の調査によれば、驚くべき結果が出ています。
花粉症の推定有病率
第1回調査:10.0% (昭和58年度~昭和62年度)
第2回調査:19.4% (平成8年度)
第3回調査:28.2% (平成18年度)
第4回調査:48.8% (平成28年度)
なお、2016年度(11月~12月及び2017年3月)に東京都が行った調査では、スギ花粉症の推定有病率は、あきる野市48.5%、調布市47.7%、大田区49.1%で、調査区市間にほとんど差を認めなかったとの報告があります。
ちなみに、花粉症は遺伝も関係するといわれています。両親が花粉症だと、その子供が花粉症になる割合は約55~60%にのぼり、片方の親が花粉症だと、約30~50%が花粉症になると報告されています(2020年鼻アレルギー診療ガイドライン)。この点もまた、花粉症の増加を押し上げる要因になっています。
――日本のほぼ半数の人が花粉症に苦しんでいるんですね。当然、花粉も増えているはず。 その通りです。1990~2020年代まで、飛散ピーク時の最大飛散量は増加傾向にあります。
花粉の飛散ピーク時における最大飛散量
年度/飛散数(個/cm2)/変化率
・1990年代/1000~1500
・2000年代/1500~2000/+25%
・2010年代/2000~3000/+50%
・2023年(令和5年)/約7100
(厚労省・国立環境研究所データ)
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