優れた道具は10年、20年と付き合える
「この灯油ストーブはもう20年以上使っています。武井バーナーというメーカーのもので、いちばん大きいサイズの製品です」。
武井バーナーは昭和3年創業の老舗。少人数で受注生産を手掛け、修理も自社で行っているという。
![](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/44139/images/editor/9002ade3d819cef2f56b04fecfcd585a29299c89.jpg?w=850)
山根さんが見せてくれるキャンプ道具は、このストーブに限らずどれも美しい。ペトロマックスの灯油ランタン。ベストメイドの斧。コッパーケトルの銅製ケトル。そして、いずれも丁寧に使い込まれている。
![](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/44139/images/editor/6a969a6e9f9afcf9899e38c8c80b262322014e66.jpg?w=850)
「僕にとっては機能もデザインも等しく重要。美しい道具を使うと、何か別の世界が現れるような気がします。腕時計も同じだと思うんです。アルピニストのような美しい腕時計をアウトドアで使うと、気分がぐっと盛り上がるはず」。
そして「古いモノ、古くなったモノは逆に価値が下がらない」とも言う。
![](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/44139/images/editor/33cb2ad7c822be2ea9d78a340508bdac2e92cca2.jpg?w=850)
山根さんはF/CE.のデザイナーであると同時に、ミュージシャンでもある。バンド「toe」のベーシストとして20年以上音楽活動を続けている。
「例えば楽器。60年代とかそれよりも古いフェンダーのエレキベースはとても高額で取り引きされているんです。古くなると木のボディが枯れて、いい音が鳴ると言われています。
車で言えば、2年前に手に入れた1972年製のウィネベーゴ。日本に数台しかないというレアな一台と聞いています。
もちろん自分で使い込んできたモノもそうですよね。キャンプ道具も10年、20年使えば得難い味が宿りますから」。
![](https://images.oceans.tokyo.jp/media/article/44139/images/editor/729d7d9e32d95c2bc86b9d6ed284ff68a5bf4d4a.jpg?w=850)
そしてこの「SBDC091」も然りだ。定期的なメンテナンスを行えば、長い年月にわたって付き合えるはず。
使い込むほどに愛着が湧き、その価値はさらに高まっていくというわけだ。
3/3