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2022.06.25

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ハリウッドザコシショウの重みのある言葉。芸歴24年目の「見逃し三振はしたくない」

ハリウッドザコシショウ

ハリウッドザコシショウ


当記事は「The Wordway」の提供記事です。元記事はこちら(第1回第2回)。
「昨日の自分を超える」をテーマに各界のトップランナーの言葉を音声とともに届けるメディア『THE WORDWAY』。音声を楽しみたい方はオリジナル版へ。

今回のアチーバーは、「誇張モノマネ」など、独創的な芸風で人気のハリウッドザコシショウさんです。

高校卒業後に吉本興業の大阪NSCに入学し、1993年に静岡茶っぱとのコンビ「G★MENS(ジーメンス)」としてデビュー。同期の陣内智則さん、中川家さん、ケンドーコバヤシさんらがスポットライトを浴びる中、長い下積み時代が続きました。

99年には所属事務所を辞めて上京。2002年にコンビを解散し、ピン芸人になると、2016年の『R-1ぐらんぷり』で優勝し、42歳にしてついにブレークを果たしました。

自らの信じた道を歩み続ける生き方を、飾らないザコシショウ流の「WORD」から感じてください。

言葉①「三振は三振でいいけど、見逃し三振だけはしたくない」

Q:ザコシショウさんの人生を大きく変えた2016年の「R-1ぐらんぷり」優勝は芸歴24年目でのことでした。夢を追い続けた年月、「売れるまで」をどのようにとらえてきたのでしょうか?

よくね、2016年のR-1で優勝した時に、「苦しかったでしょ」みたいなことを言われるんですよ。20数年売れてなくて、「大変でしたね」みたいなこと言われるんですけど、全く大変じゃなくて。

やりたいことを、ずっとやってたから、特にしんどいなと思ったこともなくて。バイトはしんどかったんですけど、「売れないなー、しんどいなー」と思ったことってそんなにないんですよね。

Q:なぜ、「苦しいな」とか「売れないな」とは思わなかったのでしょうか?

好きなものを職業としてやれてない人が多い中、僕はずっと成立はしてなかったですし、追い求めていただけなんですけど、それをやれていることに対して幸せでしたから。だから「あー長年売れてないな」っていうことはなかったですね。

あとは仲間がいたからね。1人だったら苦痛だと思いますよ。孤独は苦痛だけど、一緒に志す、同じ釜の飯と言うかね。毎日そいつらと遊んだり、「こういうこと面白いよな」と言ったり。売れなくても、毎日が楽しかったですよ。



Q:いつスポットライトが当たるか分からない中で、年齢や将来を考えたりした時に不安などはなかったのですか?

それは、多少ありましたよ。ただ、長い時間かかったんですけど、とんとん拍子にはいってるんですよ。例えば病気で休んだとか、例えば事件に巻き込まれたとかもなく。すごく緩やかですけど、着々と。

Q:緩やかであっても、上昇していれば、いつかは必ず売れると信じていたのですか?

絶対売れてやるとは思ってたんですけど、本当に売れるなんてこれっぽっちも思ってなかったですからね。

「売れてやるぞ」が第一希望じゃなかったかもしれないですね。こういう自分のお笑いのできる環境を、ずっと追い求めてたっていうところですかね。



Q:思いを貫くには勇気も必要だと思います。ザコシショウさんのような生き方に憧れ感じる人も多いですが、「やりたいことをやり続けよう」というのはどんなきっかけで思ったのですか?

R-1で優勝して「お前かっこいいな」と言われたりもしたんですけど、何でそうしないのかと俺は逆に思っちゃうんですけどね。なんで自分に不得意なところに挑戦するのかって僕は思いますね。

自分も、(2002年に)コンビを解散した時に、1回辞めようかなと思ったことがあるんですよ。当時はR-1とかもなくて、コンビの人がピンで活動するっていう文化もなくて。

いざ解散したらネタがもうできなくて、緊張しちゃって、手も震えるし足も震えるし。そんな状態だから、芸人を辞めて、漫画も好きだったから、漫画家をやろうかなと思ったんです。

でも、結局それもうまくいかずに漫画家もダメ。じゃあ何をするか、今できるものは何かなと思った時に、得意なものですよね。フラットで見た時に何が一番、即戦力でやれるかって言ったら、10年やっていたお笑いなんですよね。

お笑いをやりたくてもやれない環境の人もいっぱいいるから。お笑いをやれてるってことは幸せだなとその時に思ったんです。



Q:「1つのことを続ける」という意味では、09年に始めた動画配信もそうです。ブレークした現在も毎日投稿を継続されていますが、YouTubeが流行する以前から12年以上、どんな思いで続けてきたのですか?

最初は、暇だった時に、たまたまデジカメあったんですよ。動画が取れるんですよね。

で、事務所にアメーバブログを渡されてて、それを日々更新してたら、動画を載せるサービスがあったんですよ。それで、ちょうどいいやと思って、時間あるからって始めたんです。



Q:多忙な中でも、継続することで得られている効果、実感のようなものはありますか?


例えば、頭の中でギャグができただけだと、自分でやってないとわかんないですよね。脳内トレーニングだけでは無理なわけで。

イチロー選手も「日々の平常心がどんだけ平常心であり続けられることが重要だ」みたいなこと言ってましたよね。普段以上の火力を出さないといけない場面だと、それは日々こう素振りしてないとそれは絶対に出来ないわけで。

向上委員会とかドキュメンタルとかは、常に剛速球が来るわけですよ。それを常に打ち返さないといけないから。それは全力で三振することもありますよ。三振は三振でいいけど、見逃し三振だけはしたくないなっていうとこですね。


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