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2022.03.08

“画面がない”次世代ナビ「NP1」。買うより“雇う”感覚で、愛車にお迎えを

車内側から見た「NP1」。本体取り付け寸法はW118×H75×D93mm。一般的なドライブレコーダーより少し大きい。

車内側から見た「NP1」。本体取り付け寸法はW118×H75×D93mm。一般的なドライブレコーダーより少し大きい。

カーナビがなかった頃は、助手席に座った人が地図を開いて、文字通り運転の助手として、ドライバーに道を伝えていた。

そして今や、ドライブレコーダーくらいの小さな機械が、「2つ先の信号を右です。右側の車線を進んでください」なんて丁寧に教えてくれるようになった。パイオニアのドライビングパートナー「NP1」だ。

車外側はこんな感じ。電源はシガーソケットから。

車外側はこんな感じ。電源はシガーソケットから。ジャンルはドラレコでもカーナビでもなく「ドライビングパートナー」。


欲しい機能が詰まった次世代ナビは「画面なし」

ナビのモニター画面はない。フロントウインドウにドライブレコーダーのような本機を備えるだけだ。“ドライビングパートナー”という名の通り、あとは話しかければあれこれ面倒を見てくれる。

AI音声機能が備わっているので、ナビゲーション機能を使う際は「どこそこに行きたい」と話しかけるだけ。

ルート検索結果も音声で案内してくれ、あとは信号や一時停止標識など分かりやすい目印、どのレーンを進めばいいかなどを具体的に伝えながら案内してくれる。

画面を見なくても進むべき方向がよくわかる。まるで優秀なナビゲーターを雇ったようなものだ。そして画面を見なくて済むから、ドライバーは視線を前方に集中できるので、安全運転にも繋がる。

画面や操作ボタンはない。話しかければ音声で丁寧に教えてくれる。

画面や操作ボタンはない。話しかければ音声で丁寧に教えてくれる。


NP1は、ナビゲーション機能だけではない。例えば、見た目通り、ドライブレコーダーとしての役割を果たす。

駐車場に車を停めてカフェで寛いでいるときも、車が衝撃を受けたら瞬時にスマホの専用アプリと連携し、ドライバーに異常を知らせてくれる。

ドライブをしていれば、目の前に予期せぬ絶景が突然広がることもある。そんなときは、音声で指示するだけで車窓からの絶景を写真で撮影してくれる。だからシャッターチャンスを逃すことはない。

ドライブレコーダーとして映像はSDカードに保存。音声で指示すればクラウドに保存することもでき、スマートフォンアプリで確認できる。

ドライブレコーダーとして映像はSDカードに保存。音声で指示すればクラウドに保存することもでき、スマートフォンアプリで確認できる。


さらにWi-Fiスポット機能も搭載し、車内で最大5台までスマホやタブレット等を接続できる。これなら後席で子供たちが好きな動画サイトやゲーム等を存分に楽しめて、渋滞中の不平不満を聞く機会も減りそうだ。

まあ、ここまでは想定内、という人もいるかもしれない。けれどこの優秀な“ドライビングパートナー”はまだまだデキる。

「音声だけで外と繋がる」機能を備えているからだ。例えば初めて友人宅を訪れる場合、住所だけナビにインプットしても、それが合っているかは家の表札を見るまではっきりとしない。

しかしこのドライビングパートナーは、「近くまで来ているはずなんだけど……」なんてときに友人に走行中の映像を送ることができる。

友人はスマホでその映像を見ながら「そうそう、そのコンビニを右に入って……」なんて彼の音声で道案内してもらうことも可能だ。

時間や自車位置等の情報から、その時々にドライバーが興味を持つトピックを案内してくれる。

時間や自車位置等の情報から、その時々にドライバーが興味を持つトピックを案内してくれる。


今後はAmazon Alexaも搭載される予定。Alexaに対応したエアコンや電気給湯器を家に備えれば、帰宅する前に「Alexa、家のエアコンをつけといて」とか「お風呂に湯をはっといて」なんてこともできそうだ。

お値段は一般的なドライブレコーダーより少し高いが、従来のカーナビゲーションよりもお手頃な6万5780円(通信+サービス利用料1年分含む)。さらに今後も定期的にいろいろな機能のアップデートが予定されているという。

この優秀さは、カーナビやドラレコの枠を超えてもはや執事レベル。“雇う”べき価値は、十分あるだろう。

籠島康弘=文

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