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「年下の部下」に対する気持ちを改める

この「ダブルバインド」を脱するためには、矛盾した2つの気持ちの一方を捨てなくてはなりません。ひとつの選択肢は「年上を敬う心」を捨てることです。

しかし、「長幼の序」の文化で育った我々にはなかなか難しいでしょうし、「部下を見下し、年上も敬わない」という考え自体がそもそもよいこととは思いません(「ダブルバインド」は消えるでしょうが)。

そうであれば、もうひとつの「部下を見下す心」を捨てればよいのです。自分の胸に手を当ててみて、部下の顔を思い出し、それぞれに対する気持ちを振り返ってみてください。そこに少しでも見下す思いがあれば、そこを改める努力をするのです。
 

気持ちを変えるにはまず「形」から



ただ、気持ちを変えるのは難しいことです。それなら、あまり本質的ではないですが「形」から入るのもよいかもしれません。

具体的には「部下も全員『さん』付けする」「誰に対しても同じような態度で振る舞う(挨拶等)」というようなことです。

「年上の部下」にだけ丁重に接し「年下の部下」にはぞんざいな態度では、「年上の部下」は「本当は馬鹿にしているのだが、形だけ丁重にしている」と思うかもしれません。

ですから、「年下の部下」を「年上の部下」と同じように丁重に接してみるのです。そうすれば、やりにくさを生み出す「ダブルバインド」はきっと消えていくはずですよ。


グラフィックファシリテーター®やまざきゆにこ=イラスト・監修
曽和利光さんとリクルート時代の同期。組織のモヤモヤを描き続けて、ありたい未来を絵筆で支援した数は400超。www.graphic-facilitation.jp

「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは……
組織と人事の専門家である“そわっち”が、アラフォー世代の仕事の悩みについて、同世代だからこその“寄り添った指南”をしていく連載シリーズ。好評だった「20代から好かれる上司・嫌われる上司」の続編である。
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曽和利光=文

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