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2022.01.17

ライフ

かつての先輩が部下に。どう対応すれば?「部下は“下の立場”の人ではありませんよ」

「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは……




本日の相談者:37歳、IT系企業勤務
ネットマーケティング事業を主体としている会社に勤務しています。年功序列ではなく成果主義の組織ということもあり、かつて新人時代に面倒を見てもらった先輩が直属の部下となってしまいました。

先輩は「遠慮なく接して」と言ってくれていますが、仕事のイロハを教えてもらった方だけに、どう接すれば良いのか迷っています。

アドバイスしてくれるのは……

そわっち(曽和利光さん)

1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。

「長幼の序」は残っている

日本では儒教などの影響で「長幼の序」(年長者と年少者の間に存在する秩序。「孟子」より)が昔から大切にされてきました。

「年少者は年長者を敬い、年長者は年少者を慈しむ」というのが美しい人間関係の一つであるということです。そんな日本でも現在では年功序列もとっくに崩壊し、「年下の上司」「年上の部下」が珍しくありません。

しかし、「長幼の序」自体は今でも無くなっておらず、初対面の人とは毎度「学年」を確認し合うように、世の中は変わっていないように思います。

このために、全国津々浦々の会社の職場で、年齢にまつわるぎくしゃくした問題が起こっているようです。

「成果主義」と「長幼の序」は矛盾しない



しかし私は、「成果主義」による社内の格付けと、「長幼の序」は矛盾しないと思っています。

というのも「長幼の序」は上述の通り、「年少者は年長者を敬い、年長者は年少者を慈しむ」ことですが、「年長者は年少者を蔑め」「年少者は年長者に隷属せよ」などとは言っていません。

ですから、「年長者も年少者を敬い、年少者も年長者を慈しむ」ことにしてはどうかと思うのです。

また、会社内での格付けは、「上」司、部「下」と、上下という言葉は残っていますが、別に身分の偉い偉くないではありません。単なる役割です。プロスポーツで監督よりトップ選手の年俸が高いことがあるのと似たようなものです。

部下を無意識に「下」に見ていませんか

もしかしてですが、相談者は「年下の部下」を無意識的に下に見てはいないでしょうか。部下は上司よりも劣っている、部下は上司に従うべき、部下は上司に至っていない欠落した存在、などと思ってはいないでしょうか。

一面を見ればそういうこともあるかもしれませんが、体力やバイタリティ、基礎的な知力、記憶力などは若い人の方が優れていることも多いですし、場合によっては、仕事上の能力だって高いかもしれません(私もなんちゃって経理部長をしたことがありますが、部下だったマネジャーは公認会計士で、当然私よりも100倍能力が高い方でした)。

部下だから「下」などということはないのです。

部下を見下すから「年上の部下」がやりにくい




「年上の部下」がやりにくいと感じるのは、そういう無意識の「部下を見下す心」と、長幼の序から来る「年上を敬う心」が葛藤するからでしょう。

精神科医のベイトソンは、このように二つの矛盾した考えに囚われる状態を「ダブルバインド」(二重拘束)と呼びました。

大変ストレスフルな状態であり、これが続くと、自分の矛盾した感情を抑圧して自由な意思決定ができなくなったり、自信が持てず判断力やパフォーマンスが低下したりして、その結果、心身に不調をきたすことがあるほどであるとされています。

ですから、「年上」と「部下」に対する矛盾した気持ちを解決する必要があるわけです。


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