地を這うようなボディ、圧倒的なスピード、高らかな咆哮…… 若い頃スーパーカーに憧れたオーシャンズ 世代も、最近はちょっとチェックを怠っていないか?
実は今、スーパーカー界の“第7世代”的存在として話題のメーカーがある。
令和時代のスーパーカーのニューフェース「リマック」である。
ポルシェとブガッティが認めた新星。創業者は若干33歳
2021年7月6日、ポルシェとリマックはお互いが共同出資(リマック55%、ポルシェ45%の出資割合)する合弁会社「ブガッティ・リマック」を設立し、その傘下にブガッティを収める、と発表して業界がざわついた。
リマックとはクロアチアの新興EVメーカーで、創業は2009年と自動車業界でも若い会社だ。
創業者のメイト・リマック氏は1988年生まれの33歳。10代の頃からBMW 3シリーズ(E30)でレースを楽しむエンスーだったが、ある日レースでエンジンを壊してしまった。
そのとき思いついたのがE30の電気自動車化だ。それがリマック・グループのスタート地点。創業時、リマック氏はなんと21歳だった。
2011年には「コンセプト・ワン」をフランクフルトモーターショーで発表。
高出力バッテリー、トルクベクタリング(4基のモーターで4輪を電子制御して安定性を確保)というリマックのEV“方程式”を用いたスーパーカーで、最高出力は1088馬力。物凄い加速力を誇っていたが8台しか生産されなかった。
しかも8台のうち1台は、BBCの人気自動車番組「TOP GEAR」の撮影中にスリップして坂を転がり落ち炎上……というアクシデントに見舞われてしまう。しかしこれがリマックにとっては奇しくも世に知られるきっかけになった(運転していた同番組の司会者リチャード・ハモンドは足を骨折するも命に別状はなかった)。
すると2018年、ポルシェが同社の株式の一部を所有して投資。次第に注目を浴びるようになる。
そして2019年のジュネーブモーターショーでは「コンセプト・ツー」を発表。これをベースとした市販車「ネヴェラ」が2021年7月1日に発表された。
コンセプト・ワン同様、高出力バッテリー、トルクベクタリングというリマックのEV方程式が用いられ、最高出力は1914ps、最高トルク2300Nmを発揮。
最高速度は大型旅客機の離陸スピードよりも速い412km/h、0-100km/h加速はわずか1.97秒。フェラーリも、ランボルギーニも、それこそブガッティも舌を巻くような動力性能であることは言うまでもない。
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