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2020.08.11

ライフ

「飲みたいビールがないなら作ればいい!」。DIYから生まれた高尾ビール


「37.5歳の人生スナップ」とは……
WEBディレクターとしてサラリーマン生活をしながら、山が好きすぎて都心から山の麓に引っ越しをした前編
後編は移住した高尾で、自分の好きな暮らしを叶えるために動き出した話から。
 

自分の暮らす街だから、自分で楽しくしよう

誰かが始めるに違いないと思って待てど暮らせど、うまいビールが高尾の街で飲めるようにはならなかった。それで次第に、自分でビールを作るということに池田さんは興味を持ち始めた。「醸造所を作るなんて大それたことをやるつもりはなかったんです」と、池田さんは言う。
「せっかくの高尾山という観光資源を持ちながら人が滞留しない街はもったいない、どうせ自分も暮らしてるんだから楽しい街にしたい。そういう想いが、ビールを自分で作ったらどうだろうと考え始めたきっかけのひとつでした」。
もうひとつ、「飲む」から「作る」へ彼の興味を転換させるものがあった。話は池田さんが影響を受けたアメリカのロングトレイルとクラフトビールに戻る。
トレイルとクラフトビールが盛んな場所といえば、例えばサンフランシスコ周辺、オレゴン州ポートランドなどだ。どちらかというとリベラルな気質で、多様性がある都市。そして、欲しいものは自分の手で作って暮らしを豊かにしようというDIY精神に溢れている街だ。
「アメリカのそういうDIY精神に触れて影響を受けていると思うし、それが自分の中のひとつの軸になっていると思います。だから、おいしいビールを飲みたいけどない、じゃあ自分で作ってみるか、という発想になったのかもしれません」。


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