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2024.04.07

イベント

Z世代も虜にするジェーン・スーの魅力。加齢を楽しみ、悪ふざけする新しいおばさん像

コラムニスト ジェーン・スー氏と筆者(左)

コラムニスト ジェーン・スー氏と筆者(左)


当記事は「Forbes JAPAN」の提供記事です。元記事はこちら

「Forbes JAPAN」本誌2024年5月号で、コラムニストのジェーン・スー氏を取材した。取材前には「スーさんを取材するの!? すごい」と同世代である20代、30代の同僚から声をかけられた。

ポッドキャスト番組「OVER THE SUN」では月間80万以上のリスナーを持つ。ジェーン・スー氏の人気はもう中年女性だけにとどまらない。



「モヤモヤを解く」スー氏の力

筆者がスー氏に出会ったのは、大学生のころに就職先に悩んでいたとき。記者の仕事に興味があり、通信社でアルバイトをしていた。筆者のいた、多忙を極めるその部署は女性と男性の比率が1対9だったが、男性記者の中で生き生きと働く女性記者が、まあそれはカッコよく見えた。しかし、女性のほとんどが独身だった一方で、男性はみんな結婚していたことに気づいた。

今思うと、彼女たちはあえて結婚しないことを選択していたかもしれないが、当時の筆者は「結婚はだれもがしたいもの」という考えに囚われていたので、「同じように仕事をしているだけなのに、なぜ女性は、働きながら結婚して家族を持つことが難しいの!?」と、もどかしいような怒りに近いような感情を抱いた。このまま記者を目指していいの?と人生で初めて性差について真剣に考えたのである。

そんな時にであったのが、ジェーン・スー氏と脳科学者の中野信子氏が、これからの女性の生き方を対談形式で語り合う書籍『女に生まれてモヤってる!』(小学館刊)だった。

これまでみてみぬふりをしていた、「女だから」とか「若いから」ということが理由で起こる理不尽な出来事を2人が言語化してくれることで、解決したわけではないが、自分のモヤモヤしていた感情を整理できて心が軽くなった。そこからスー氏の書籍を読み漁り、そしてラジオ「生活は踊る」を毎日欠かさず聴き始めた。

「生活は踊る」の相談コーナーでは、老若男女の悩みを聞くことで、いろんな生き方や考えがあることに気付かされ、たとえば大自然の風景を見たあと、自分の悩みがちっぽけに感じるときと同じように、スー氏の回答を聞いたあとは、荒んだ気持ちが少し楽になった。


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