男の生き様は背中に表れるという。時計もそうかもしれない。
美しいフェイスデザインもさることながら、それを支える精緻な技術はシースルーバックを通して実感できる。そんな魅力を文字盤からも味わえるのがフレデリック・コンスタントが「ハートビート」と名付ける、いわゆるオープンハート仕様のモデルだ。そこに垣間見えるのは、男の品性である。
垣間見える、だから惹かれる
インスタ映えがもてはやされる昨今でも男が真に心惹かれるのは、ただ目を引くような美観ではなく、さりげなく垣間見える個性やセンスである。むしろひけらかしを嫌う粋の美学こそ、男のダンディズムといえるだろう。
たとえばリラックスしたサマースーツでも、足元は手入れを欠かさぬ愛用の黒のオックスフォードで引き締める。あるいはインターネットだけに頼らず、あえて古書店に足を運び、発見の好奇心を満たす。やせ我慢といわれるかもしれない。しかしそれが大人のエレガンスであり、インテリジェンスだ。そこに映し出される人間性はとても魅力的だ。
「フレデリック・コンスタント」もそんな美学を持った時計ブランドだ。新作の日本限定モデルは、クラシカルな3針スタイルに、モダンなツートンカラーの文字盤や心地良いフィット感のラバーストラップを組み合わせる。だが最大の特徴はハートビートだ。文字盤に穿たれた小窓を通して、内に秘めた精緻なムーブメントの心臓部であるテンプの動きを見て楽しむことができるのだ。
ハートビートが見せるのは、伝統的な時計技術だけではなく、着ける者の品格でもある。ふとした瞬間に表れる端正な挙措や相手を慮る気持ちと同様に、その人自身を確かに覗かせるのである。
秘めた精緻をさりげなくアピール文字盤のセンターサークルには繊細なギョーシェ模様を施し、その周回はメタリックなシルバーで引き締める。シンプルフェイスに個性を与えるのがオープンハート仕様の本作だ。内なる精緻を可視化し、伝統的な機械式時計が実感できる。
ハートビートスタイルを世界で初めて開発今では多くの時計ブランドが採用するハートビート(=オープンハート)スタイルを、1994年に世界で初めて開発したのがフレデリック・コンスタントだ。そこには、一部のマニアだけでなく、高品質の機械式時計をより多くの人に楽しんでいただきたいという“アクセシブルラグジュアリー”を掲げるブランドの理念が息づく。最新作ではストラップをラバーに変更し、スポーティな印象が高まった。
2/3