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2017.08.22

ライフ

松井玲奈がおしえたいこと「ゲームはあらゆる世代の共通言語!」


価値観のコリをほぐす“読むサプリ”
37.5歳におしえたいこと Vol.1
気持ちはまだまだ若いが、そろそろ成熟への一歩も踏み出す世代。それが37.5歳。だからこそ若者の間で流行っていることを知っておきたいし、先輩には引き続きアドバイスを頂戴したい。自分の「好きなモノ」だけでアタマの筋肉がカチコチにならないよう、同世代以外の著名人のみなさんに聞いてきた。「37.5歳におしえたいこと、ありますか?」
ここのところ役者としての評価をグングン上げている注目株の松井玲奈ちゃん(26歳)。6〜8月には舞台『ベター・ハーフ』に出演し、11月からはアントン・チェーホフの最高傑作にして最期の戯曲『桜の園』をベースに、演出家の串田和美さんが脚色を加えた『24番地の桜の園』で重要な役どころを演じる。ゆえにかなりのご多忙。だが、そんな日々に欠かせない、そして37.5歳にもやってもらいたい楽しみがあるのだとか。それって何?

「ゲームです。これは年上の男性にこそオススメしたいですね。だってゲームって、いろんな世代の“共通言語”だと思いませんか? 子供の頃にどんなゲームをやっていたとか、『FF』とか『ドラクエ』はどのシリーズが好きかとか、誰と話しても絶対に盛り上がりますもん。でも、忙しくなって『やらなくなった』っていう40代の方多いじゃないですか。もったいないなぁ(笑)」

「ゲームにハマってるオジサン、全然いいじゃないですか」

実は玲奈ちゃん、かなりのゲーマー。攻略サイトも絶対に見ないと宣言する硬派でもある。そんな彼女がベストゲームに挙げるのが『キングダム ハーツ』シリーズ。ディズニーキャラクターもたくさん登場するRPG(ロールプレイングゲーム)で、世界で累計1700万本以上を売り上げるスーパーヒット作だ。
「なんといってもストーリーがしっかりしているんですよね。キャラクター同士の友情が結ばれていく裏に、光と闇のテーマもある。ゲームしながら感動できるんですよ!」
なんとも役者らしい視点。と同時に、
「ディズニーのキャラクターがたくさん出てきて、一緒に戦えるのもポイントですね」
と、女の子らしい側面も覗かせる。ほかにオススメは? と聞くと、
「『人喰いの大鷲トリコ』でしょ。『ワンダと巨像』もドキドキして楽しいし、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にもぜひ挑戦してほしい! “ゼルダ”は40代の人はきっとハマるはずだし……」
止まらない止まらない。ちなみに『人喰いの大鷲トリコ』『ワンダと巨像』ともに、上田文人さん(47歳)が監督・ゲームデザインを担当したアクションアドベンチャーゲーム。どちらも切ないストーリーと、美しく詩的なビジュアルに多くのファンの胸を打った名作だ。確かにこんな感じで20代と話せたら楽しいに違いない。「もう卒業した」とゲームライフにピリオドを打っているオッサン諸君。もう一度コントローラーを握ってみないか?

「オジサンでゲームにハマってると聞いても全然ネガティブじゃないですし、むしろ“共通言語”をたくさん持っていることになるから良いことだと思います! そもそも『忙しいから』って何かをシャットアウトしてしまうのは寂しいですし、ゲームならお子さまと一緒にやるのも楽しいんじゃないですか? でも、攻略サイトとかは絶対見ないほうがいいです! 時間がないと頼っちゃうかもしれませんが、それだとなんのために遊んでるかわからなくなっちゃうので。ゲームに挑戦しないのも、もったいないんです」
ちなみに“挑戦しないともったいない”のは、ゲームのみならず仕事に関わることでも。

「年上の男性からは、もっといろいろ教えてもらいたい派です!」

「舞台は、ぜひ観に来ていただきたいですね。テレビやスクリーンを通して観るより“生”は、受け取る熱量や空気感がとにかく大きいので。たとえばその日のお客様次第で、ひとつのシーンでもシリアスからコメディまで、印象がガラッと変わることがあります。会場全体でひとつの作品を作る感覚が味わえます」
そんな意味でも、11月から出演する舞台『24番地の桜の園』が楽しみだとか。舞台は20世紀初頭のロシア、桜の園と呼ばれる領地を舞台に、困窮しているにも関わらず過去の華やかな生活から浪費グセの抜けない領主ラネーフスカヤ夫人が、周囲の進言に耳を貸さず、代々受け継いだ“桜の園”と呼ばれる土地を手放す選択を迫られる……というのが原作“桜の園”のあらすじ。玲奈ちゃんは夫人の娘・アーニャを演じる。

「すごく現代的な感覚を備えていて、まっすぐ芯の通った強い女性だと感じています。でも串田さんが違う解釈をされるかもしれないので、稽古に入るのが楽しみです」
串田さんとは、本作で演出・脚色・美術を手がける串田和美さん(75歳)のこと。
「すっごくいろんなアンテナを張っていて、たくさん知識を持っている方です。楽曲が生演奏になるのですが、『こんなイメージ』と聴かせていただいたのがジプシーをイメージしたような曲だったり、次々と色んな曲をかけてくださって。その幅の広さに驚きました!」
玲奈ちゃんは年上からのコトバを、素直に受け取るタイプ?
「もちろんですよ。むしろいろいろ教えてもらいたいですし、先輩たちの経験からくるコトバは貴重です。仕事柄、上の世代の方と接する機会も多いのですが、みなさんやっぱり知識と経験が豊富だから、いつも『すごいな〜』って感心しちゃいます。あ! でも、仕事ばかりじゃなくて、ときにはゲームも楽しんでほしいですけどね!」

PROFILE

松井玲奈
1991年愛知県生まれ。2008年「SKE48オープニングメンバーオーディション」に合格、同年デビュー。’15年にグループを卒業し、役者の道へ。11月9日(木)からBunkamuraシアターコクーンで上演する舞台『24番地の桜の園』に出演。領地「桜の園」を舞台に変わりゆく時代に生きる人々の滑稽なまでの人間模様を、演出家の串田和美が脚色を加え、鮮やかに描き出す。東京公演は8月20日(日)10:00から、松本公演は8月26日(土)10:00から、大阪公演は9月10日(日)10:00から、それぞれチケット発売開始!
※文中の年齢表記などは公開日時点のものです
林 和也=写真 吉州正行=取材・文


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