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「家がどれだけ高く売れるか」を左右する、たった1つの指標とは?

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「共働き世帯」「高齢者世帯」が好む住宅は、資産価値が下がりにくい

以前は工場や倉庫地帯だった湾岸エリアにマンションが建ち始めた90年代後半は、「人が住めるイメージがない」という人が多かった。必然的に購入希望者は今ほど多くはなく新築マンションの価格は坪単価で200万円を切る相場だった。その後、徐々に再開発が進んで大型商業施設や公園などの生活環境が整備され、湾岸エリアに住みたいと考える人が増えていくにしたがって価格相場は上昇。現在は坪単価で300万円を超える新築物件も登場しており、中古相場も新築の価格上昇に引っ張られるように上昇している。

すでに開発が進んだ湾岸エリアの価格相場がさらに上がり続けるかはわからないが、都心に近い利便性や住宅エリアとして一定の人気を確立していることから、今後も多くの居住希望者が存在し続ける可能性は高い。そして、湾岸エリアのように価値が上昇しないまでも、手堅く価値が維持されるエリアを探すことは決して難しくない。そこに住みたいと考える人が将来もたくさん存在する街を見極めれば良いのだ。

では、どのようにして、見極めれば良いだろうか。湾岸エリアのような「大規模再開発」や「新線開通」「新駅開業」が計画されているエリアは期待値が大きいが、選択肢が限られる。そこでより普遍的な視点として考えたいのが、中長期的な人口動態の変化だ。日本では今後人口減が進むと予測されているが、実は相対的に減りにくい層がある。それは共働き世帯と高齢者世帯だ。それぞれの世帯数の推移データを見ると、現時点では増加の一途であり、そのトレンドは今後も簡単には変わらないと考えられる。将来、相対的に数が多い世帯層が好む条件の住宅ならば、手堅いニーズを期待できるはず、というわけだ。

共働きを継続するには交通利便性が重要であり、都心部に出やすい立地で、かつ駅近であればかなり好条件となる。もちろん勤務先が都心でない人もいるが、都心通勤者が圧倒的な「多数派」であることが重要なのだ。また高齢者にとっては、日々の買い物環境や病院への通いやすさが重要になり、かつ平坦な立地であればなお好都合だ。これらは将来の住宅ニーズの予測としてわかりやすい例であり、他にも考えられるニーズはあるだろう。いずれにしても、資産価値重視で住宅を選ぶときに大切なことは、将来的にいかに「多くの人」に住みたいと思ってもらえるか、この視点に尽きる。

取材・文/山下伸介
1990年、株式会社リクルート入社。2005年より週刊誌「SUUMO新築マンション」の編集長を10年半務め、のべ2700冊の発刊に携わる。㈶住宅金融普及協会の住宅ローンアドバイザー運営委員も務めた(2005年~2014年)。2016年に独立し、住宅関連テーマの編集企画や執筆、セミナー講師などで活動中。

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マンション , 不動産 , 住まい , 東京
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