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家族の絆もいっそう強まる!? キッチンが主役となるお家とは

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家の核と呼べる場所はどこになるだろう。おそらく多くの人はリビングを思い浮かべるかもしれない。では、キッチンを核に据えるとどうなるか。その好サンプルを見ていこう。

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ひと昔前、キッチンはある種裏方だった。でも今は違う。ダイニングやリビングを仕切る壁をなくしたLDKのワンルーム化が、今定着しだしている。
この場合、ポイントとなるのはキッチン。なぜなら、コンロやシンクの位置、カウンターの形状によって動線が変わるから。その点、荒木邸は少々個性的かもしれない。

2階でひときわ目を引くのが一体化したキッチンカウンターとダイニングテーブル。間仕切り壁もなく続くリビングにはあえてソファを置かず、空間のスペースを確保している。だからこそ、各々好きな場所でくつろぎながらも自由な会話を楽しめるのだ。

2階の間取りを見れば理由は明白。ダイニングテーブルは、キッチンとリビングをつなぐ装置となり家族の主たる居場所になっている。リビングと分断されていないため、キッチンからテレビを楽しんでいる人の耳へダイレクトに声が届き、キッチンの正面を吹き抜けにしたことで閉塞感も感じさせない。よって、キッチンに立つ人が孤立することがないのだ。

このような間取りにしたワケは主にふたつ。LDKをひとつにすることで夫妻が最もくつろげる空間を作りたかったこと。そして、家族との時間をより充実させたいと願ったことにある。

南面にある開放感たっぷりのテラスは、室内のフローリングの板を張る方向を揃え、段差をなくして作っている。結果、室内との一体感を生み景色へと向けられる視線を遮ることがない。

そこで、建築家との度重なる打ち合わせの末、キッチンカウンターとダイニングテーブルをつなげ、外の景観へ向かい伸びていく造りのアイデアが生まれた。そのキッチンカウンターは、従来のものに比べ奥行きがあり、ダイニングテーブルはというと実に長大。周辺にスペースを作り、大人数で囲んでもストレスを感じないように作られている。室内を落ち着いたトーンに統一したのは、足しげく通う鎌倉界隈のカフェを参考にしたためだ。

その出来栄えに亮一さんも大満足。「境目のないLDKは、いつも家族を身近に感じられるところがいいですね。キッチンが広くなり、前に住んでいた家では持てなかった、子供とパンやプリンを作るといった時間も楽しめています」。倫子さんも「友人や親族が遊びに来たとき、夫婦一緒にキッチンに立って料理作りを楽しめ、食後の片付け中も、みんなで顔を合わせて会話ができる」とお気に入りのポイントを語る。

テラスの周りには野菜や果実のなる植物を植え、日々の栽培と収穫を楽しんでいる。そして、収穫したものはそのまますぐに食卓へ。

料理とおもてなしを同時にできるのはこの造りならでは。キッチンを拠点にしたことで、ボーダレスなコミュニケーションと充実した家族との時間を手に入れている。

1階の和室コーナーに続く土間に設けられた水場。現在は手洗い場として活用されているが、近い将来、カフェをオープンしたいという夢を見越して作られたもの。
道路に面した北側の外観。アプローチから木のルーバーを通して透けて見える中庭が、室内との距離感をコントロールする。


【荒木さんのOH! 家データ】

◆間取り
眺望の良い南側に向かって開きながら諸室を配置。1階には玄関土間から続いて和室と書斎、主寝室、2階にはLDKとテラス、水まわりがある。中央の中庭が室内に気持ち良い光を届けてくれる。

◆建築概要

竣工:2016年
構造・規模:木造・2階建て
敷地面積:172.73㎡(52.25坪)
建築面積:69.01㎡(20.87坪)
延床面積:116.75㎡(35.31坪)
設計:レベルアーキテクツ www.level-architects.com

【家主さんのプロフィール】

荒木亮一さん(39歳)、倫子さん、湊くん(2歳)

電機メーカーに勤める亮一さんと、事務係の仕事に就く倫子さんは、ともに自宅から近いエリアに勤務。庭づくりをコツコツと続けた菜園で、湊くんと収穫して料理するのが一家の楽しみ。

尾鷲陽介=写真

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