http://oceans.tokyo.jp/2017-0914-3/

「子の将来は親の育て方次第」という大誤解 完璧な人間にも堕落した人間にもできない

このエントリーをはてなブックマークに追加

当記事は、「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちらから。

乳幼児や小中学生の子どもを持つ親のみなさんは、今年の夏休みをどう過ごしただろうか?
旅行に行ったりキャンプをしたりと、家族サービスに精を出した人もいれば、子供と過ごす時間が十分に取れず、「子供に良い経験をさせられなかった」と考えている人もいるかもしれない。だが、過度の心配はご無用だ。
2000年刊行のロングセラーで、この夏に新刊として改題・文庫化された『子育ての大誤解――重要なのは親じゃない』の著者にして、アメリカの教育研究者、ジュディス・リッチ・ハリス氏は、「子育てにおいて、親の努力はほとんど無駄になる」という。ハリス氏が、子どもがどんな大人に育つかはすべて親の責任であるという「子育て神話」を一刀両断する。

子育て神話

まずは、私の実体験から。

学生時代、私は米国のマサチューセッツ州ケンブリッジで下宿をしていた。下宿の大家はロシア人夫妻で、3人の子供たちとともに1階に住んでいた。夫妻はお互いに対しても、子供たちに対してもロシア語で話した。彼らは英語が下手で、ロシア訛りが強かった。

ところが彼らの子供たちはというと、まったく訛りのない、近所の子供たちが話すのと同じボストン゠ケンブリッジ・アクセントの英語を流暢に話していた。外見も近所の子供たちとそっくり。親のほうはその洋服のせいなのか、身ぶり顔つきのせいなのか、どこかに「外人くささ」が漂っていた。しかし子供たちはまったく外国人には見えない。ごく普通のアメリカの子供だった。

「愛情をこめて抱きしめると、優しい子供になる」「寝る前に本を読み聞かせると、子供は勉強好きになる」「体罰は子供を攻撃的な性格にする」

世間でまことしやかにささやかれる、これらの言説。その裏にある考え方を、私は「子育て神話」と呼んでいる。それは、親の育て方が子供の人生を決めるという考え方だ。子育て神話によれば、子供に文化や知識を伝えるのも、将来、社会で一人前の大人として認められるよう準備を整えさせるのも、すべて親の役目となる。だから親は必死で「良い親」になろうとする。その心理的負担はとても大きい。

このエントリーをはてなブックマークに追加
子育て , 教育 , 東洋経済 ,
48歳バンドマンの「しぶとすぎる」生き残り術 〜結成28年、酸いも甘いも噛み分け進んできた〜
2017.10.18
お金が殖えないと嘆く人はこの常識を知ろう。金融マンも意外と知らない“積立投資”の利点
2017.10.11
「上司に相談します」は生産性で見て致命的だ 。「生産性が日本の1.5倍」ドイツ人に学ぶ
2017.10.04
意外と知らない「ナイキと日本人」の深い関係。世界的スポーツブランドはいかに生まれたか
2017.09.20