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琵琶湖のほとりで好きなことを! 異なる趣味が調和する家作りとは?

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好きなものを見境なく置きだすとお家の中はどうなるか。おのずと雑然となり、お世辞にも心地良いとは言い難い空間になる。やはり、異なるテイスト同士を共存させることは根本的に無理なのか。その希望の光は、とある建築家の自邸にあった。

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趣味や好みは人それぞれ。個人でも、好きなスタイルに統一感がないケースだってある。ましてや複数人がひとつ屋根の下で過ごすとなると、空間の秩序が失われるか、どこかに妥協点を見出すほかない。

手段としては、特定の世界観に各要素を合わせること、そして、全体を括る個性ある家を手にすることである。そして、テイストの異なる“不均一なモノ”に囲まれながらも、心地良いスタイルを作り出した好例が、殿村さん一家の住居兼事務所だ。

琵琶湖に程近い場所にある殿村さん夫妻の自宅。この地を選んだ理由は、「自分がしたいことを住まいに盛り込もうと思った」から。
「そこで、広めの土地があり、価格も手頃なこのエリアに注目しました。周りにも自営業で独立している人が多く、水が合いそうだなとも感じましたね」とのこと。

南側には多様な街路樹が生え、北側からは琵琶湖を望めるその景色を最大限に取り込むべく、2階にリビングダイニングキッチンを据えた。リビングはフルオープンになる窓を設置してバルコニーと一体化。見える景色は大半が空だ。

リビングダイニングは、吹き抜けを介して書斎のある3階へとつながっている。仕切り壁や扉のない開放的な書斎にしたのは、「仕事で閉じこもることなく、家族の様子を感じていてほしい」という治美さんの要望だ。

2階、3階を占めるのは、明彦さんが収集したグッズコーナー。ヴィンテージの雑貨、鉄道模型、海外の切手シートのコレクションなどがズラリと並んでいる。1階は多目的スペースになっていて、主に治美さんがフォトスタジオとして使用。

かように趣味嗜好から仕事の内容まで異なるふたりではあるが、空間に殿村さん夫妻らしさが溢れている。それもこれも、住居をシンプルな箱と捉え機能させているからだ。外の景観を取り込み、高さのあるところでは5mにも及ぶ天井高のゆとりある空間を作ったことで、異種に富む様々な要素が混在していても、すべてを内包するスタイルができている。

「ここからライフスタイルを発信したい」とは殿村さん夫妻。多くの趣味に溢れ、仕事と生活を共存させたこの家が今後どう変化していくのか、今から楽しみでならない。

◆Taste 1:カリフォルニアモダン

2階のダイニングテーブルは、同じ市内にあるグリーンショップ「花好mokume」と製作したもの。ウォールナットとスチールで作られ、さらにゴムの木まで植えられている。イームズデザインのチェアも含め、随所に漂うカリフォルニアの雰囲気がいい感じだ。

◆Taste 2:インダストリアル


キッチンの壁一面に設えたのは、NYの地下鉄の壁などに使われたサブウェイタイル。インダストリアルものならではの粗野な雰囲気が、ナチュラルテイストのリビングとすんなりマッチ。

◆Taste 3:欧州スタイル


1階にある広々としたガレージ。そこには愛車のミニクーパーが収められている。ドイツのBMW傘下にあるブランドだが、ルーツは英国。ヨーロッパが持つ特有の洗練さも、この家には違和感なく馴染む。

◆Taste 4:エコライフ


外壁や屋根には、エコ先進国ドイツの基準で断熱を施した。だから、エネルギーを使い過ぎず、室内温度を快適に保てる。また、屋上には太陽光パネルを設置し、電力をまかなっている。

【殿村さんお家データ】

◆間取り
眺めも陽当たりも良い2階に家族が主に過ごすリビングダイニングキッチンを据え、勾配天井によるダイナミックな吹き抜けで3階の書斎とつないだ。1階には夫婦共通の仕事部屋と、親世帯の居室がある。

◆建築概要
竣工:2016年
構造・規模:木造・3階建て
敷地面積:406.933平米(約123坪)
建築面積:147.94平米(44.75坪)
延床面積:235.199平米(71.146坪)
設計:カラーレーベルデザインオフィス http://colorlabel-design.com

【家主さんのプロフィール】


殿村明彦さん(38歳)、治美さん、小町ちゃん(1歳)

建築家の明彦さんとブライダルコーディネイターの治美さん、そして待望の長女、小町ちゃん。治美さんはスタイリストとフォログラファーもこなし、自邸の1階にあるスペースで撮影することもある。

永禮 賢=写真

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