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初めてのマンション購入が、沖縄の住まないセカンドハウス

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同世代で資産運用をうまくやっているヤツはどんなことをしているのか……。30代後半、IT系スタートアップ企業で部長職をしているTさんは、33歳で結婚したとき、趣味の車や無軌道なお金の使い方をしてきたせいで、貯金ゼロ。
ところからここから6年ほどで、リゾート地・沖縄にふたつのマンションを保有して毎月20万円の不動産収入を得ているほか、不動産売買で頭金を作り、8000万円の自宅マンションを購入するなど一気に資産家に。なんとも、うらやましい状態にいます。
Tさんに一体、何が起きたのか。全6回にわたってお届けする、Tさんが「こっそりうまくやっている」マネー運用術、第3回です。

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80平米の新築マンションを2000万円台で購入。ただし、そのマンションは沖縄にあった

IT系スタートアップ幹部のTさん「奥さんに突然、東京に住みたくない、沖縄に行きたいと言われたときは、頭を抱えました」

東日本大震災の直後、奥さんに突然「東京を離れたい。沖縄にマンションを買いたい」と言われたTさん。東京に仕事があるのにありえない、そもそも沖縄に今、住むことなんてできない。そんな状況の中で、住まないかもしれない、使わないかもしれない沖縄の高級マンションの購入を決断せざるを得なくなってしまいました。

もし、その決断をしなければ家族が崩壊してしまうかもしれない、と危機感があったからでしたが、他にも決断を後押ししてくれたものがありました。

「ひとつは、価格が3000万円ほどだったことです。東京でマンションを買うことを考えれば、半値以下という印象でしたね」

最終的には購入時、厳しい価格交渉をして、2000万円台での購入に成功します。80平米台の新築マンションを、東京だったら2000万円台で購入することはまず無理でしょう。

「そしてもうひとつが、おそらく値下がりしそうにない、ということです。不動産屋をいろいろ歩いて、新築物件と中古物件、さまざまな情報を集めましたが、マンション価格は上がっていました」

詳しく調べて初めて知ったのが、沖縄のマンション事情でした。そもそも特に高級マンションに関しては、開発の難しさから供給そのものがとても少なかったのです。

「しかも、どんな人がそういうマンションに住んでいるのか、不動産屋に聞きました。わかったことは、確実に高級マンションの需要はあるのだ、ということ。なのに、物件がそうそう出ないということは、値段が落ちないということです。実際、落ちていなかった」

購入にあたって、Tさんは徹底的にリスクを洗い出しました。これはもしかすると、東京で自宅を買うわけではなかったから、だったのかもしれません。住む場所としてなら妥協できたことも、もしかすると住まないかもしれない、使わないかもしれないマンションを買うことになってしまっただけに、おいそれとは行動できなかった。そこで、緻密にいろいろな分析を試みたのです。

「結局、わかったのは、最大のコストは“購入価格—売却価格”だということです。ところが、沖縄の高級マンションを分析してみたら、このリスクがどうやらなさそうだ、ということがわかったわけです」

買った不動産の価格が上がることは、僕たちの世代の感覚にはなかったはずだった

Tさん「家族の出費で大きいのが、旅行。それをいかに圧縮するかも考えに入れました」

しばらく持ってから売ったとして、管理費や修繕積立金といったコストもカバーできる、ということがシミュレーションで見えてきたのだそうです。売却時に高く売れれば、売却時の差額というコストも、実費でかかるコストも実質いらなくなるということです。

「買ったものの価格が上がる、という感覚は僕たちの世代にはまったくなかったんですよね。だから、借金して金利を出してまで価値が下がるものを買うのはどうか、と思っていました。でも、その大前提が崩れるパターンがあるんだ、ということを初めて知ったんです」

そして沖縄に高級マンションを買ったことで、「3つのお金が貯まらない元凶」のふたつ目に気づくことになったと言います。

「車と並んで家計を圧迫しているもの。それが、旅行なんです。家族でどこかに行きたいね、とあちこち行っていたら、あっという間に数十万円が消えていく。この旅行費用を圧縮できれば、お金が残るわけです」

奥さんが言っていたのは「まずは住処を確保して安心したい。まずは行けるタイミングで滞在して、いざという時には移住したい」。ひとまず定住するわけではないマンションですが、もちろん滞在費はタダ。沖縄旅行に行くのは交通費だけ、ということになります。旅行費用を大きく圧縮できるわけです。

「だから、これから家族の旅行は沖縄にしか行かない、と断言しました(笑)。そうすれば、宿泊費用が浮きますからね。なんたって自分の家なんですから」

購入にあたって、住宅ローンを利用しました。セカンドハウスでも、住宅ローンを組むのは可能だとこのとき初めて知ったと言います。

「月々9万円くらいの支払いになりました。これくらいなら、東京に家を借りながらも、なんとか払っていけると思いました。それこそ、ちょっと多めの貯金のような感覚でしたね」

こうして、初めてのマンション購入が、言ってみればセカンドハウスになったというTさん。しかし、セカンドハウスだったことが、Tさんにひらめきをもたらします。使うといっても、せいぜい年に数週間。1年の大半は空き家です。これを人に使ってもらったら……というアイディアが浮かぶのです。
(第4回へ続く)

取材・文/上阪徹
1966年、兵庫県生まれ。アパレルメーカーのワールド、リクルート・グループなどを経て、94年よりフリーランスに。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がける。著書に『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』(あさ出版)、『僕がグーグルで成長できた理由』(日本経済新聞出版)、『職業、ブックライター。』(講談社)、『成功者3000人の言葉』(飛鳥新社)、『リブセンス』(日経BP)など。

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