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若手注目職人が披露!新品以上に光る靴磨き/週末靴磨きの極意(1/4)

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オシャレは足もとから。手に入れたいい革靴を履きつぶしてしまうのは、極めてもったいない。靴磨きは身につけておいて損のない男のたしなみといえる。週末に念入りに磨き込む作業を趣味の域に高めてしまえば、きっと靴を育てる喜びを感じられることだろう。目指せ20年モノ!

いい革靴は、時代に左右されない。ちゃんとケアすれば、長く履けることはよく知られた話だ。けど、その“ちゃんと”がくせ者。正直、イマイチよくわからないっす……。でも正しく技術を身につければ、週末の靴磨きの作業は充実した時間になるはず。ケアするたびに新品以上の魅力的な面構えになってくれるとしたら、こんなにありがたいことはないのだから!

靴磨きに高価なアイテムは不要。市販品でもじゅうぶん使える

そこでこのたび技術を教えてもらうのが、明石優さん。お邪魔したのは茅ヶ崎の自宅兼作業場だ。磨き上げるのは、筆者がいつも履いているドクターマーチン。キレイに履いているつもりだけど、「見違えるはずですよ」というお言葉。期待が高まる!

「独自のクリームやワックスを使う職人もいますが、誰でもできるように市販のアイテムを駆使していきますね。それこそプロが研究して作っているので、市販のモノでもじゅうぶん使えますよ」

イベントやワークショップ、百貨店などでも明石さんは靴磨きをレクチャーしているとか。では早速教わろう。靴にもよるが、カーフレザーの一般的なものであれば、用意するアイテムは以下の通りだとか。

・布(ネル生地)
・馬毛のブラシ
・豚毛のブラシ
・クリーナー液
・クリーム
・ワックス

まずはクリーニング。靴の中まで念入りに

「最初に紐をほどきます。そして靴のなかの掃除をするんです。ホコリが結構溜まっているので」

両方の靴にネル生地の布を滑り込ませ、拭き上げる。続いて、表面のホコリ落とし。

「毛足の馬の毛のブラシで全体をブラッシングします」

それぞれしっかり掛けたら、いよいよ薬剤を使っての汚れ落としだ。明石さんが使うのは、ツヤ靴専用の汚れ落とし『レザリアン』のローション。

「これを少し布に付けて、全体を磨き上げます」とふきふき。それぞれ1分ほどかけて行う。

「続いて、乳化性のクリームで保湿しながら色を整えます。指を使うのがポイントです。体温と摩擦で馴染ませるんです。シワの部分は筋に沿って念入りに」

クリームは、いわば保湿&乳液。指で丹念に染みこませて


ちょっとずつ指で取りながら、まんべんなくぬりぬり。綿棒の先くらいの少量を付けて、薄くのばしてあげる感覚だ。1足につき、2~3分ほどのイメージだ。つづいて豚毛のブラシで磨く。

「豚はちょっと堅い毛なんです。マッサージしながら革の中にクリームを浸透させてあげるんですね。シワの中は指が届かないので、ブラシで入れ込んであげることが大切です。で、その後一度から拭きします。余計なクリームを残さずにきれいにしておく必要がありますからね。べたついているとホコリも付いちゃいますし、それこそ白パン履いたら色が付いてしまいます。ここまでで基本のケアが終了です」

この時点で、艶っぽくセクシーな光沢だが、ここからが“磨き”の本番。基礎化粧を終えて、いよいよお化粧の時間なのだ。

ワックスは磨きの真骨頂。時間を掛けてじっくりと

「ワックスを掛けていきます。さっきのクリームが皮の内部のコンディションを整えるものなら、これは表皮を整えるもの。また買ったばかりのワックスはドロッとしていますが、数日間蓋を開けておいて乾燥させておくと、仕上がりの光沢が違いますよ。裏ワザです」

これも最初に指を使って、つま先とかかとに塗り込んでおく。そしていよいよ布を使った磨きの作業。指先に布をギュッと結びつけるのがポイントだ。

親指で布を押さえたら、2本の指先を掛け、裏返し。

ギュッとねじって返したら、2本の指元まで持っていきグルッと巻いて結ぶ。

結び目を手の甲側に持っていき……。

指の腹にできた布のシワを伸ばせば準備完成だ。

「ワックスを指の腹にちょっとずつ付けて、表面を磨いていく。ちょっとずつ水も布に付けるといいですよ。こうすることでワックスが乗り、滑りが良くなります」


念入りに全体を磨くこと、1足およそ5分ほど。

最後に豚毛でシワの部分を磨き込めば、白くなりにくくなるとか。そして最後にもうひと磨き。ツヤッツヤにきらめく靴ができあがった。「そこまでキレイになるのかな?」と懐疑的だったけど、いやはやホントすみません。滑らかさにもほどがありますよ!

ビギナーでも時間を掛ければ、プロ並みのクオリティ!

「職人と普通の人の違いはスピードです。丁寧に時間を掛ければ、同じようにキレイになりますよ」

愛情を注いであげるほど、靴は輝きは保たれるどころか、よりいっそう増すことを学んだ。靴箱で寂しくしている靴があるなら、ケアのチャンスかもしれない。随分ヨレヨレになってしまった靴も、念入りにケアを重ねて上げることで往時の輝きを取り戻してくれるはずだ。相棒は、磨いてこそ光る!

■教えてくれた人

明石 優
靴育て研究家/絵描き。茨城出身。2006年靴磨きを始める。2008年シューズラウンジ brift Hが南青山にopen、百貨店、一流アパレルブランドのイベントなど靴磨きパフォーマンスを経験。2011年独立。現在、世田谷ものづくり学校内『自由大学』、熊谷『NEW LAND』などさまざまな場所にて日本には数少ない靴磨きの講師として活躍。 靴のケアをより身近にしてもらいたい想いで代々木公園にてaozora shoe shine schoolも開講中。 この時代だからこその靴磨きの大切さと奥深さを伝え、靴を手入れすることを歯磨きくらい当たり前の文化へ発展させていく。

吉々是良=取材・文
小島マサヒロ=撮影

■緊急告知!「オーシャンズ」読者向けワークショップを6月25日(日)に開催!!

※第二回の募集は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。

靴磨きは奥が深い。自分の靴をよりよく育てたいのであれば、明石さんに教えを請おう! そこで「オーシャンズ」の読者に向けたワークショップを開催。一般読者もエントリーできるが、定期購読者なら無料。つまり持っていくものは自分の靴だけ! プロの技をしっかり身につけて、週末のケアタイムを充実させてみては?

日時:6月25日(日)
①午前の部 11:00〜12:30(10:30受付開始)
②午後の部 14:30〜16:00(14:00受付開始)
場所:Creator’s District
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-17-1 TOC第2ビル
*部屋番号は当選者に追って告知を致します。
定員:各回12名、合計24名
持ち物:革靴

*スウェードタイプや起毛素材のシューズはご遠慮ください。
*お持ち頂く革靴の色は問いません。

参加費
・雑誌OCEANS定期購読者:無料
・一般読者:¥3,000
*雑誌OCEANS定期購読者の方は、お連れ様1名まで無料です。
*一般読者の方は当日会場にて現金でのお支払いとなります。必ずおつりのないようにご用意ください。
締め切り:2017年6月1日(木)
*当選者の発表は、メールの発送をもって代えさせていただきます。
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