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宿命の塗装 ~ガンプラ製作編④~

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塗れるぞ…私にもガンプラが塗れる!?

©創通・サンライズ

少年時代には成し得なかった「カッコいいガンプラ」を作る夢を、大人のスキルとお財布で実現させようというこの企画。今回は遂に塗装に挑戦する。

「”あの頃”ホビー再入門」を最初から読む

パーツの段階で色分けされている最新のガンプラならキットを買うだけで済むところだが、ガンプラ少年だったあの頃のガンプラ(旧キット)を作る上で、技術面だけでなく財政面でも大きな壁となったのが塗装だ。そういえば、自分が住んでいた地域では「連邦軍はツヤあり、ジオン軍はツヤ消し」とするのが常識だったのだが、あれってローカルルールだったのだろうか?

余談はさておき、塗料の用意だ。説明書で指示されている色は「黒に白を少量混ぜる」というように、複数色を調合するものもあるのだが、調合はいかにも大変そう。そこで今回は、指示されている色に近いものを用意することにした。

あの頃と変わらぬ形状のプラモ用塗料。もちろん、塗料を薄めたり筆を洗ったりするのに用いる「うすめ液」も必須である。唯一、当時はなかった“最新兵器”となるのがペンタイプの「ガンダムマーカー」だ。今回製作している「グフ」頭部にあるモノアイのように小さな箇所を塗るのに最適だという。ガンプラに使える様々な色があるので、手軽に塗装をしたい人は、こちらをメインとした方がよいだろう。

塗料が揃ったら、さっそく塗装。当時の自分なら、ここでいきなり筆塗りを始めてしまうところだが、それではあの頃同様、線がゆがんだり色がはみ出したりと残念な仕上がりになることは、たとえ大人のスキルをもってしても必定。そこで行うのが「マスキング」と呼ばれる、塗り分けのための下準備だ。

ここでは仮組みでも用いた、粘着性の弱い「マスキングテープ」のほか、塗ることでマスキング効果を発揮する「マスキングゾル」の2種を用意した。基本的にはマスキングテープだけで要が足りるようだが、テープが貼りにくい場所や貼ったテープの間にすき間ができてしまった場合の補修をしたい場合にマスキングゾルが役立つという。

マスキングテープはそのまま使うこともできるが、貼りたい場所に合わせて幅や長さを調整するのが基本となる。きれいな切り目にしないと塗料がにじむ恐れがあるため、常にカットしながら使うのがポイントだ。

©創通・サンライズ

切り出したマスキングテープを、ピンセットを併用し、塗料をつけたくない箇所へ慎重に貼り付けていく。余分はデザインナイフで切り取ればよいが、このとき力を入れすぎると下地やすでに塗料を塗った箇所に傷を付けてしまうので注意したいところだ。とにかく慎重さと根気が要求される作業。前回行った継ぎ目消し同様、時間と手間をかけたぶんだけ仕上がりがきれいになることがわかっているだけに、焦りは禁物と自分に言い聞かせながら、黙々と作業を続ける。これまたあの頃の自分なら到底耐えられなかったに違いない。

©創通・サンライズ

ちなみに両腕、両足のように同じ形状のマスキングを行う場合は、ちゃんと両方を見比べ同じ形になるよう注意したいところである(それで結構大きなしくじりをしました)。

見事だな。しかしそのエアブラシの性能のお陰だということを忘れるな!

最初のマスキングを終えたところで、ようやく塗装となる。当時の手順に従えば筆塗りとなるところだが、ここで一発、あの頃の自分にデッカイ「夢」をプレゼントすることにした。

©創通・サンライズ

プラモデル少年たちの憧れ「エアブラシ」の投入である。きれいに塗るというだけならスプレー塗料を使った塗装でも十分というが、せっかく大人のホビーを満喫するのだから、多少無駄とわかっていても恰好をつけたいもの。ちなみに今回購入したのは、初心者でも扱いやすいというタミヤの「SX0.3D」。空気を送るコンプレッサーとあわせて1万円ちょいの買い物だが、あの頃の自分にプレゼントすると思えば安いもの。というか、これを一度使ってみたかったんですよ!

©創通・サンライズ

筆やスプレー缶に比べ、道具の手入れが面倒というデメリットがあるとはいえ、その効果はかなりなもの。使い方も相当難しいものと覚悟していたが、製品の説明書と、今回の連載で「教科書」となっている『ガンプラ入門』(野本憲一/株式会社ホビージャパン)を参照しただけで、なんとか使えるようになった。エアブラシを使い、華麗にガンプラを塗装する俺。気分はすっかりプロモデラーである。あの頃の自分がここにいたら、きっと感激と興奮で泣き出すに違いない。

ツノなんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ!

最初の色を吹いたら(エアブラシなので、敢えてこう言いたい)、乾燥するのを待って吹いた箇所をマスキング。続いて第二色目を吹いていく。

©創通・サンライズ

この手順を繰り返し、すべての色を吹き上げれば塗装の完成というわけだ。

©創通・サンライズ

ちなみに今回は、腕、脚、頭部といように部位ごとに塗り分けを行った後で、胴体を接着。そこから胴体の継ぎ目消し、サフ吹き(下地塗り)、塗装をする「ガチはめ」と呼ばれている手順を踏んだ。

©創通・サンライズ

旧キットのガンプラを製作する際は、別売りの関節パーツに付け替え塗装の手順を楽にするほかパーツの可動性を上げる「後はめ」処理をするのがオススメらしいが、敢えて当時の製作手順に近い方法を選んだのだ(後はめの手順が難しそうだったということもあるが)。

©創通・サンライズ

吹き付け、マスキングを繰り返し、遂に最後の色まで辿り付いた。取れてしまったツノが、作業の壮絶さ…というか自分のうっかり加減を物語っている。まぁ、後でなんとかなるでしょう、たぶん…。

©創通・サンライズ

ボディに貼られたマスキングテープを剥がしていく。緊張と興奮のひと時。遂に、俺の「グフ」がその姿を現す時が来たのだ。

©創通・サンライズ

見よ! この勇猛さ(ツノ取れちゃってるけど)。明らかに、少年時代の仕上がりとは違うグレイド。これが大人の実力なのだ。

©創通・サンライズ

しかーし。賢明な読者諸兄なら、まだ「完成」ではないことにお気づきのはず。そう、まだ付けていないパーツがあるのはもちろん、ガンプラ少年にとって避けては通れない「アレ」をしなければならないのである。

ついにその姿を現した「俺のグフ」。その完成度を高めるため、オッサンは最後の特効をかける。そう、終局である。次回「汚れるガンプラ」編。俺は作り終えることができるか?

文:石井坂浩二郎
協力:株式会社バンダイホビー事業部

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